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車内置き去り防止へ「動き検知レーダー」や「確認促す警報音 ... - 読売新聞オンライン

 自家用車や通園バスに子供が置き去りにされる事案が相次ぐなか、東海地方の企業が車内の確認を促したり、取り残された子供を検知したりする製品の開発を急いでいる。置き去りを防ぐ安全装置は、国内外で義務化の動きがあり、技術革新も進みそうだ。(佐藤一輝)

 自動車防犯設備大手の加藤電機(愛知県半田市)が開発した置き去り防止システム(税込み5万8850円~、設置工事費別)は、車のエンジンを切ると警報音が鳴る。止めるには車両後部のスイッチを切る必要があり、運転者を後部座席まで移動させることで車内の確認を促す仕組みだ。

 万が一、子供が取り残された場合に備え、車内の超音波センサーや振動センサーが子供の動きを検知し、警報音を鳴らす機能もある。10月に発売したところ、子育て世帯や保育園から購入希望が殺到し、年内生産分の1000セットは1~2週間で完売したという。

 車のドアがこじ開けられた際などに警報音を鳴らす防犯製品を応用し、開発から約1年で発売にこぎ着けた。来春にはより安価な同種製品の投入も目指す。加藤学社長は「大事に至らなかったものも含めれば、車内置き去りは頻繁に起きている身近な事故だ」と指摘し、普及に意欲を見せる。

 加藤電機がシステムを開発したきっかけは、昨年7月に福岡県で5歳の男児が保育園の通園バスに置き去りにされ、熱中症で死亡した事件だった。今年9月には静岡県で同様の事件が発生し、3歳の女児が命を落とした。

 事件を受け、政府は来年4月以降、全国の通園バスに安全装置の設置を義務づける方針を決めた。国土交通省は装置の仕様に関する指針の策定を進めており、各社も通園バスの安全対策に特化した製品を相次いで投入している。

 路線バスの降車ボタンを手がけるレシップ(岐阜県本巣市)は、無線式のスイッチで警報音を止めるシステムを開発した。スイッチを取り付ける位置の自由度が高まり、天井や座席の下などに設置すれば、子供が勝手に止めることを防げるという。

 11月下旬から利用を始めた本巣市立真桑幼児園の堀江秀樹園長(61)は「ご家庭に迎えに行く途中で停止する際などは警報を鳴らさないようにもでき、使い勝手が良い」と喜ぶ。

 工事現場の立ち入り禁止などを知らせる「リール」を生産する中発販売(名古屋市)は、降車確認を促す専用のリール(税込み1万2100円)を発売した。降車後に長さ6メートルの磁石式リールを乗車スペースの前方から最後尾まで貼り付けることで、広いバス内の入念な確認につながるという。

 海外でも安全装置の義務化を検討する動きがある。北米では1990年以降の約30年間で、車内置き去りによる熱中症で死亡した幼児の数が1000人超に上るとする調査結果があり、米国は自家用車への安全装置の設置を求める法整備を進めている。

 需要は世界的に拡大する見込みで、自動車部品大手も参入に乗り出した。トヨタ自動車グループのアイシンは高精度なレーダー技術を持つイスラエルの企業と組み、新たな装置の開発を進めている。天井から電波を飛ばし、眠っている子供の1ミリ程度の動きも検知できる。大人もいる場合は警報を通知しないなど、車内の状況を詳細に把握し、危険な場面だけを判別できるのが強みだという。

 自動車メーカーの要望なども踏まえて早期の実用化を目指す。アイシンの早川俊介さん(44)は「人の記憶は完全ではなく、愛情深い親でも置き去りは起こりえる。人のミスをフォローできる製品を生み出したい」と力を込める。

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