片品村がゼクシィと連携未婚者の利用助成人口減、少子高齢化対策 ... - 東京新聞

　群馬県片品村は本年度から、リクルートが運営する結婚相談所サービス「ゼクシィ縁結びエージェント」を未婚の村民が利用する際、最大三カ月分の月会費を村が助成する新事業を始めた。過疎地の村で出会いの機会を提供し、人口減や少子高齢化の対策を図る狙い。同社が自治体と提携するのは初。（小松田健一）

　村は尾瀬を抱える豊かな自然が最大の特徴だが、人口は今年三月一日現在で四千六十五人と、ピークだった一九五五年の半分以下に減った。高齢化率も４０％を超え、未婚者の出会いの機会が少なかった。四年前に村内で婚活イベントを開いたが大きな成果を得られなかった。その後のコロナ禍で大人数を集めるイベント開催が難しくなり、成婚実績がある民間企業のサービスを活用しようと、村からリクルートに働きかけた。

　対象は未婚の村民。利用希望者はまず、高崎市の「イオンモール高崎」内にあるゼクシィの店舗へ住民票持参で申し込む。村民と確認できれば、入会金の三万三千円は免除される。申し込み後に申込書、運転免許証など顔写真付き身分証明、領収書の写しを村役場に送付すると、村から料金が振り込まれる仕組み。

　受けられるサービスによって月会費は異なり、最も安価な「シンプルプラン」は九千九百円。専任コーディネーターから月に六人まで紹介を受けられる「スタンダードプラン」だと一万七千六百円、最も高価な「プレミアプラン」は二万五千三百円。

　堀口健人・リクルート婚活事業部部長は「利用者数の増加で事業の成長につなげるとともに、少子高齢化の解決という社会貢献ができればと考えている。今後も提携する自治体を増やしたい」と話した。

　村むらづくり観光課の竹内祐二郎さん（２９）は「村にとって、人口減少を食い止めるのは大きな課題。出会いの機会をつくるきっかけになってほしい」と期待する。対象者の親から複数の問い合わせがあり、関心は高いという。本年度当初予算に四十万円を計上したが、利用者が増えれば補正予算で追加する方針だ。