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「シリコンバレー史上最悪の詐欺」の教訓、米セラノス元CEOに ... - 日経ビジネスオンライン

血液検査ベンチャーの米セラノスが虚偽の技術で投資家などをだました事件で、米カリフォルニア州北部地区連邦地裁は2022年11月18日、創業者で元最高経営責任者(CEO)のエリザベス・ホームズ被告に11年3カ月の禁錮刑を、同12月6日に元社長兼最高執行責任者(COO)のラメシュ・バルワニ被告に12年11カ月の禁錮刑をそれぞれ下した。

「シリコンバレー史上最悪」と言われた詐欺事件は一旦の終結を迎えることになった。著名投資家などを次々に巻き込んだこのスキャンダルの教訓とは何か。Fake it, till you make it(欺け、うまくできるようになるまで)──。ビジネスにもたびたび援用される米国の格言を、我々はどう受け止めるべきなのか。

 トレードマークだった黒のタートルネックの姿はなかった。2022年11月18日、米カリフォルニア州北部地区連邦地裁は血液検査ベンチャー、セラノスの創業者、エリザベス・ホームズ被告に禁錮11年3カ月の判決を下した。判決文によれば出頭日は23年4月27日。ホームズ氏は「数滴の血液で多種多様な疾患検査ができる画期的な技術」をうたい、一時、時代の寵児(ちょうじ)ともてはやされた。印象的なタートルネック姿から「次のスティーブ・ジョブズ」とまで呼ばれた起業家だった。

11月18日に米カリフォルニア州の連邦地裁に入るエリザベス・ホームズ被告(中央)(写真:Bloomberg / Getty Images)

11月18日に米カリフォルニア州の連邦地裁に入るエリザベス・ホームズ被告(中央)(写真:Bloomberg / Getty Images)

 弁護団による裁判資料によれば、米スタンフォード大学で化学を専攻していたホームズ氏が基礎となるアイデアを思いついたのは03年の夏。シンガポールのゲノム研究所でインターンをしていたときだった。帰国後、その「発明」を基に特許を仮出願し、翌04年にスタンフォード大学を退学してセラノスの起業に専念することにした。

 長らく日の目を見なかった同社が急に注目を集めるようになったのは13年9月。米ドラッグストア大手のウォルグリーンズとの提携だった。当時の両社の発表資料には「消費者は通常の1000分の1の採血でより安価な臨床検査を利用できるようになる」とある。

 検査の項目ごとに異なる容器と血液が必要だった従来の方法と違い、同社の検査はピンプリック法と呼ばれる指先を小さな針で刺す方法で得る微量の血液で済むという触れ込みだった。独自開発した保存用カプセルと診断機器で、これまでの科学がなし得なかったスピードで検査結果が得られる、と。

 米パロアルト市内に両社はセラノス・ウェルネス・センターの1号店を開き、消費者に検査の提供を始めた。セラノスの知名度と評価は一気に高まった。

 14年には4億ドル以上を資金調達。同社の時価総額は90億ドルを超え、約50%の株式を保有していたホームズ氏は米フォーブスの「米女性長者番付」で1位に。プレゼンテーションの巧みさなどカリスマ性も相まって、時代の寵児となった。

 出資者は米ニューズ・コーポレーションのルパート・マードック氏やIT大手オラクルの共同創業者であるラリー・エリソン氏などそうそうたる顔ぶれ。役員には元国務長官のヘンリー・キッシンジャー氏などが名を連ねた。メディアもホームズ氏をこぞって取り上げた。

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