アップルが2021年にミニLEDディスプレイを搭載したハイエンド製品をいくつか発売し、その中には12.9インチiPad Proや16インチMacBook Pro、27インチiMacが含まれているとのアナリスト予測が報じられています。
中国の証券会社GF Securitiesに属するアナリストJeff Pu氏によると、12.9インチiPad Proは第1四半期(1~3月)、16インチMacBook Proおよび27インチiMacは第2四半期(4~6月)にリリースされるとのことです。こうした時間枠の見通しは、ちょうど有名アナリストMing-Chi Kuoが述べた「ミニLED搭載製品の組み立ては2021年の第1四半期に始まる」との予想と符合しています。
ちなみにミニLEDとは、液晶バックライトに用いられる技術のことです。従来のバックライトを細かく分割し、ローカルディミング(部分駆動技術)と組み合わせることで「エリアごとにバックライトを消灯」を可能とし、それにより純度の高い黒を表現しつつ省電力を期待できるもの。
Kuo氏いわく、ミニLEDディスプレイは最新iPhoneに採用された有機ELパネルと同じく優れたコントラストやダイナミックレンジを実現しながら、より薄くて軽い製品設計ができるメリットがあると説明されていました。
しかし、たとえば12.9インチiPad ProであればミニLEDバックライトは約1万個が必要と見られており、やはり従来の液晶ディスプレイよりもコストがかさむ可能性が高いはず。それでもなおアップルがミニLED採用を進める理由を、調査会社TrendForceはサプライチェーンの観点から推測しています。
具体的にはアップルが、韓国サムスンの支配下にある有機ELディスプレイ市場の制約から解放され、ゆくゆくはミクロLEDディスプレイ開発への道を切り開くため、とのことです。
ミクロLEDとはひとつの画素を構成するR(赤)G(緑)B(青)1つ1つを極小のLED光源として、それぞれが有機ELのように自発光する技術です。つまり「莫大な数のミクロLEDを画面に敷き詰める」(たとえば4Kテレビの場合は約2500万個)ために高コストが見込まれ、まず画面の小さな(画素数が少なくて済む)Apple Watchに採用が噂されています。
よってミニLEDとは別ものながらも、ミニLED市場でコスト削減や特許出願が進めば、ミクロLED技術における業界の取組みも加速できるーーTrendForceはそう分析しています。
おりしもアップルは、台湾にミニLEDやミクロLED工場を建設すべく360億円を投資する予定と報じられたばかりです。すなわちミニLED搭載製品も研究開発の域を脱して量産が視野に入ったと思われ、今後は14インチMacBook Pro(ミニLED搭載との予測あり)などの噂も活発化しそうです。
Source:MacRumors
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May 27, 2020 at 09:33AM
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