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【特別編】あらゆる機器がつながるハブディスプレイを指向するデルの新製品 - PC Watch

デイジーチェーン対応のDisplayPort出力やGigabit Ethernetを装備し、USB PD出力も可能なデルの「U2721DE」

 各社からテレワークや在宅勤務の急増に伴い需要が高まるディスプレイ製品の新製品が発表されている。デルもその1社として新製品を発表、高まるニーズに応える。企業向けだが個人でも購入できる。

 今回は、新ディスプレイ製品の特徴について同社鈴木快林氏(クライアントソリューションズ統括本部クライアント製品本部フィールドマーケティングマネージャー)、小柳恵氏(APJ Display CoC 日本担当プロダクツ・ライン・マネージャー)に話を聞いた。

Type-Cディスプレイを求める企業ニーズ

スタンドに取りつけて縦方向に回転させてみたところ。オレンジ色のカバーがついているのはDisplayPort出力端子で、ケーブル1本でもう1台のディスプレイを拡張できる

 企業ニーズとしては、ケーブル1本でディスプレイがつながるのなら、それに加えて安定したネットワークを使いたいという要望が多いそうだ。有線LANポートの搭載は、こうしたニーズに応えるものだ。現行では、LANポートのためだけに別途アダプタを使っているユーザーも多く、ノートPC本体には周辺機器をつながない環境が完全にはかなえられていないため、法人用途では不満の声も多かったという。

 具体的には、ノートPC本体とディスプレイをType-Cケーブルで接続したときに、有線LAN機能としてRJ-45端子を使ってGigabit Ethernetが使えるようになる。法人向けを考慮し、MACアドレスパススルーやPXE Boot、Wake-On-LANにも対応する。

 また、ディスプレイ本体には左側面に2つ、背面に2つ、合計4つのUSB Type-Aポートが装備されている。ノートPCにつなぎたい機器として、これだけのポートがあれば事足りるだろう。欲を言えば、Type-Cポートも1つくらい装備してほしかったところだ。

左側面にはUSBポートが2つ

 おそらく製品が企画されたころには、オフィスでの利用が想定されていたのだろうが、期せずしてコロナ騒動のまっただ中の発売となっている。

 「じつは、ここのところUSBヘッドセットの売上がものすごいのです。ヘッドセットをつなぐだけにのためにノートPCのポートを1つ占有するというのお客さまの抵抗があるようです。外付けのキーボード、マウスなどもディスプレイ側に接続し、あくまでもノートを軽く、小さいままつかってすっきりさせたいというニーズが高いのです。とくに、昨今のモバイルノートPCは、USB接続端子が少なくなっていますから、それをディスプレイで補完しようというのがハブディスプレイという呼び方の由来です」(小柳氏)。

 また、有線LAN対応については、企業内のオフィスのみならず、在宅勤務中の一般住居においても、ルーターとの間で有線での接続ができればネットワーク利用における不安定要素を排除することができる。

底面にはOSDメニューを操作するボタン

 「昨今テレワークが当たり前になると、会議などでネットワークが不安定だとストレスになります。また、データセンターなどでは、ワイヤレスですべてを完結できない現場もあります。在宅勤務中の家庭内においても悩みは同じようで、お客さまの期待に応えられるのではないでしょうか。MACアドレスパススルーなので、リモートアクセス時の管理についても有利です」(鈴木氏)。

 ちなみに、今回のディスプレイにはスピーカーがない。そのためディスプレイ単体でサウンドをサポートできない。ただ、仕様からはわかりにくいのだが、DACとしてのUSBサウンドをサポートしている。本体には音声ラインの出力ポートが装備され、そこにスピーカーを接続すればType-CやDisplayPortで接続された機器のサウンドが出力される。

 デルによれば、ディスプレイですべてができることが求められている時代なのだという。Type-C対応ディスプレイのニーズは高まる一方で、さらに増加するトレンドにあるようだ。

 同社の過去の実績では、22型近辺が売れ筋だったが、ちょっと大型化する傾向もあるという。在宅勤務の特性もあって、2月後半あたりからは急激にヘッドセットが売れるようになり、各企業からはあけてもくれてもヘッドセットのオーダーが入り、日本全国で欠品を起こす状況を招いた。それも、5月下旬から正常な状態に補充できる体制が整うという。そして、ディスプレイもまた引っ張りだこの状態だそうだ。

 となると心配なのがディスプレイ製品の品薄傾向だ。一般企業に勤務する知り合いも在宅勤務に伴って、外付けディスプレイの購入を会社から許可されるなど、需要は高まっている。そんななかで供給が追いつかない状態が起こっては泣きっ面にはちだが、どうやら新製品が続々登場しているところを見るとその心配はなさそうだ。

 これまでのディスプレイは、メーカーからの新しい提案をするというのが当たり前だったが、今はずいぶん違ってきたとも。できるかぎりのことをディスプレイ側に集約できないかという顧客からの要望が高まっているようだ。とにかくType-Cディスプレイを調達したいという企業も少なくないという。

 コロナだけのせいではないが、ディスプレイに対する価値感が変わりつつあるようだ。

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April 27, 2020 at 04:00AM
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