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ネオンが星を自壊させるまで - ギズモード・ジャパン

星がライフサイクルを終えるとき、何が起きるのか。

太陽のように質量の小さな星は、層を拡大して白色矮星へ姿を変えます。さらに大きな星は激しい超新星で爆発し、そのコアにはブラックホール中性子星が残ります。ではその中間にあたる、太陽質量の7〜11倍の星はどのような終焉を迎えるのでしょうか? 層を拡大したり、爆発したりするのか、超新星は見られるのか…。これらを理解するには、ネオン元素の実態を知る必要がありました。

さまざまな星の終わり方

シュミレーションによれば、中間的な質量の星は、水素や(その結果生じる)ヘリウムを燃やすと酸素、ネオン、マグネシウムの元素で作られたコアを形成できることが示されました。水素外層を一部失い、薄暗い白色矮星になるか、あるいはコアが大きくなって崩れ中性子星になる可能性があるといいます。

ただ、こうしたコアは不思議なもので、砕ける重力からの圧力が電子を支配する量子力学ルールによって相殺されます。2つの電子は正確に同じ量子物性を共有できず、どれだけコアに縮退圧をかけるか制限します。こういった過程で重要なのが、コアのネオン原子が電子を捉える速度です。このプロセスでは、星の酸素を爆発させるエネルギーを放出します。ただ、エネルギー放出とそれに続く爆発がいつ発生するかによって、星の運命が変わってくるようです。

最新の研究では

カナダにあるダルハウジー大学のOliver Kirsebom氏が率いるグループの論文では、フッ素原子が電子を放出してネオンになるというネオン電子捕獲プロセスの逆となるものについて研究されました。フィンランドのJYFL加速器研究所のフッ素ビームにより炭素ホイルを激しく叩きつけ、フッ素がネオンに崩れる確率を決定することで逆の計算、すなわちネオンが酸素ーネオンーマグネシウムのコアで電子を捉える頻度を調べました。

彼らが計算した速度は以前の測定よりもはるかに高く、コアが低密度のとき酸素を放出し、中性子星ではなく熱核爆発白色矮星をもたらしたといいます。Kirsebom氏は、これが単一の核移行であり、非常にまれなものだとして 「これらの星の特定の条件の下で、それは進化に大きな影響を与える可能性がある」と米Gizmodoにコメントを残しています。チームの測定について「精密核天体物理分野におけるマイルストーンだ」と(研究には関与していなかった立場で)評価するのは、ノースカロライナ州立大学物理学部のCarla Frohlich氏。数十年にわたる調査をカバーするものだと述べています。

自壊する可能性も

Astrophysical Journalに掲載された別の研究では、太陽の質量の8.4倍の星の死のコンピューターモデルを構築。捉えられた電子から放出されたエネルギーが酸素で引火し、コアの他の金属を燃やして爆発的な波を発生させます。同論文によれば、電子の数と臨界密度の値に依存しており、それを超えるとコアは中性子星に崩壊し、熱核爆発で自壊するといいます。

研究者が推測したコアの密度は臨界密度よりも高いため、ネオンがコアの崩壊を促して中性子星になると考えられます。ただし彼らの研究はKirsebom氏の研究よりも古く、今後は両者を比較した新たな研究が行なわれる予定です。

特に恒星のコア内の対流や、移動する物質がどのように熱を運ぶのかには大きな不確実性を帯びているとしてKirsebom氏は「これらの星の最終的な運命については相反する見解があり、特に対流に関する理解を深める必要があると言ってもいいでしょう」と米Gizmodoに語っています。

よりよい加速器実験環境が整えば、科学者たちがこれまで以上に不安定な外来粒子や同位体の研究を後押しすることが期待できるといいます。さらに今後、天文学的な研究が進めば、酸素ーネオンーマグネシウムのコアが爆発した物理的な残骸である可能性がある、想定以上に重い元素を含む白色矮星の存在が明らかになるかもしれません。

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