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Chromeと同じエンジンのEdge正式版が登場するも移行する強い理由もない (1/3) - ASCII.jp

Windows Info第208回

Chromiumベースの新Edgeの正式版が登場
ただし、日本での配布開始は4月以降の予定

 1月15日に、Chromiumベースの新しいEdge(以下、新Edge)の正式版が配布開始された。しばらくすると、Windows Update経由で自動的にインストールされる予定だという。ただし、日本での配布開始は4月以降になる。これまでのEdge(以下、旧Edge)は、Windowsの機能アップデートとともに配布されてきたが、新Edgeでのアップデートは独自となり、Windowsのバージョンと一致しなくなる。

正式版になったChromium版Edge。Chromeの拡張機能がそのまま使えるなど、メリットもあるが、移行する強力な理由もないのが玉にキズ

 また、新Edge正式版のインストールをすると旧Edgeはアンインストールされてしまい、新Edgeに置き換わってしまう。ほとんどの人には何の問題もないが、ウェブサイトの評価用に利用している場合などには注意が必要だ。なお、新Edgeの自動インストールは、マイクロソフトが提供するツール、もしくはレジストリの設定で禁止することも可能である。

●Microsoft Edge の自動配布を無効にするための Blocker Toolkit   https://docs.microsoft.com/ja-jp/deployedge/microsoft-edge-blocker-toolkit

 ページにはいろいろと書いてあるが、要は以下のレジストリを設定すればよい。

キー: HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\EdgeUpdate
名前: DoNotUpdateToEdgeWithChromium
タイプ: DWORD値
設定値: 1

※このレジストリ値が存在しない、もしくは設定値が0の場合には、インストールがブロックされない

 なお、このレジストリ値は、Windows Updateによる自動インストールのみを抑制し、手動によるインストールを禁止するものではない。また対象は、Stable Channelの新Edgeに限られ、Beta/Dev Channelの新Edgeのアップデートには影響しない。

 旧Edgeを残しつつ、新Edgeを評価したいなら、Beta版もしくはDev版のEdgeを利用すればいい。これらは旧Edgeと共存できる。ただし、Stable Channelとはバージョンが異なる点には注意したい。すでにBeta版やDev版の新Edgeは、正式版の新Edgeよりもバージョンが新しくなっているのだ。

 新Edgeの特徴はいろいろとあるが、1つにはHTMLレンダリングエンジンがBlinkになる点がある。Blinkは「Google Chrome」(正確にはGoogleのChromium Project)と同じレンダリングエンジンだ。旧Edgeは「EdgeHTML」と呼ばれるレンダリングエンジンを使っていて、これはWebKit(Blinkのベースになったエンジン、現在ではAppleのSafariが採用している)をベースにしたものだ。

 Chromeも最初はWebKitを採用したが、方向性の違いなどから、Blinkを別に開発することにした(こういうのをフォークしたという)。そういう意味では、本家の子供が分家に養子に行ったようなものだ。

 ただし新Edgeは、Chromeそのものではなく、あくまでもChromeに似た別のブラウザであることは認識しておく必要がある。つまり、Chromeで正しく動作するページやサイトの中には、新Edgeでは正しく動作しないものが存在する可能性がある。たとえば、Googleのサービスでは、Chromeとそれ以外を厳密に区別しており、Chromeでアクセスした場合と新Edgeでアクセスした場合に違いが出ることがある。

 ブラウザがサイトにアクセスしたときに渡す情報である「UserAgent」はChromeでは、

Mozilla/5.0 (Windows NT 10.0; Win64; x64) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/79.0.3945.117 Safari/537.36

なのに対して、新Edge正式版では、

Mozilla/5.0 (Windows NT 10.0; Win64; x64) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/79.0.3945.130 Safari/537.36 Edg/79.0.309.71

である。多くのサイトでは、このUserAgentを使って、アクセスしているブラウザを判別しているが、意図的に途中までしか確認しないことが多い。

 というのは細かいバージョンの違いなどは、動作に大きく影響しないことがあるからだ。そういうサイトでは、新EdgeはGoogle Chromeと同じ扱いになる。しかし、UserAgentを全部見るようなサイトでは、当然ながら新EdgeとChromeは別のブラウザとして扱われる。

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