中高層オフィスビルや工場などに積極的に木材を活用し、脱炭素社会に貢献する。国産木材のサプライチェーンを構築し、森林を起点とした循環型の木材利用と地方創生を目指す。
地球規模で環境問題が顕在化し、持続可能な社会に向けた取り組みが求められている。大林組は2019年に「地球・社会・人」のサステナビリティの実現を追求する長期ビジョン「Obayashi Sustainability Vision2050」を策定した。50年の在るべき姿に向けた取り組むべき目標として、「脱炭素」「価値ある空間・サービスの提供」「サステナブル・サプライチェーンの共創」を設定した。
ビジョンの実現に向けて、カーボンニュートラルを経営の重点テーマに位置付け、低炭素社会の実現に向けて取り組みを推進している。30年の温室効果ガスの排出をスコープ1、2で46.2%、スコープ3で27.5%削減(19年度比)する目標を設定した。
脱炭素の取り組みで、特にスコープ3のCO₂排出削減に寄与するのが木造・木質化建築の推進など低炭素資材の活用だ。大型建築物の木造・木質化により、建設資材と施工に伴うCO₂の排出を削減する「OBAYASHI WOOD VISION」を推進していく。
日本は国土の3分の2が森林だが、その約4割が人工林で、大部分が利活用可能な状態にある。森林資源は「植える→育てる→使う→植える」という循環が可能で、森林造りを通じてCO₂を吸収し、木材として利用した後は再利用や燃料として活用できる。こうした森林資源の利活用を進めていくことが、低炭素社会の実現や地域の活性化にもつながる。
日本は世界でも有数の森林国で、古くから木造建築に親しんできたが、鉄やコンクリートの供給が容易になり、地震や火災のリスクもあって、高層建築で木材が使われることはなかった。鉄筋の建造物が増え、安価な輸入木材の利用が進んだことで国産材の使用は大幅に減った。
農水省が木材利用を推進
農林水産省は09年に「森林・林業再生プラン」を策定し、25年までに木材自給率を50%以上にするという目標を設定している。
建築では、構造体の木造化が木材利用の促進の鍵になる。一般住宅以外の建築物を木造化できれば、木材使用量を効率的に増やせる。しかし、高層・大規模の木造建築を実現するには、耐火性や耐震性の確保、材料の調達や施工といった様々な課題を解決していく必要がある。
大林組は、これまでに培ってきた大規模建築のノウハウを最大限に生かし、大型の木造・木質化建築に取り組んでいくことで、材料供給などの新たなサプライチェーンの創出にも積極的に関与し、持続可能な社会の実現を目指す。
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