
「文句を言うな」「仕事なんだから仕方ないだろう」「波風を立てるな」「周囲とうまくやりなさい」「場をわきまえろ」「大人になれ」……。
このような言葉を、あなたは部下にかけていないだろうか。あるいは、
「このくらいは鷹揚に構えて、大目に見てやるか」
「理解ある上司になるには大目に見ることも大事だ」
このような言葉を、上司であるあなたは、自分に言い聞かせていないだろうか。
嫌なことに対して「大目に見る」ように言われるのは、私たち人間の常といっていいだろう。どれも助言としては間違っていない。物事に柔軟であることも、周囲になじむことも、いずれも美徳だからだ。
しかし、この「大目に見る」ことを続けていくと、自分自身を麻痺させていくことになる、と指摘されたら、あなたはどう思うだろう。
■「理解ある態度」は無能の証?
約30カ国でパーソナル・コーチを輩出し、パーソナル・コーチングの父と呼ばれたトマス・レナードは、大目に見ることが当たり前になっていくマイナス点に、次のことを挙げている。
1、問題になりそうな状況や人間関係に巻き込まれたときに、根本的な解決ができない。
2、ひるんでしまうような場面で、思い切った行動を起こせない。
3、ずっと悩みの種になっていることを放置し続ける。先延ばしにする。
4、自分の意思を持って、率直にものを言ったり変化を起こしたりすることができない。
5、「大目に見てくれる人だ」と感づいた、エネルギーを奪うような人たちが、あなたに近づいてくる。
6、コミュニケーションスキルに問題が生じる。
どうだろう。もしもこのような人物が上司だったら? いわゆる「無能なリーダー」の典型ではないだろうか。
もしもあなたが、チームのリーダー的立場であり、「大目に見る」ことが「理解ある上司の姿」だと思っていたら、ぞっとしないだろうか。
ではどうしたらいいか? そのヒントをコーチングのバイブルであり、パーソナル・コーチングの父トマス・レナードが書いた世界的ロングセラー『セルフィッシュ 真の「自分本位」を知れば、人生のあらゆる成功が手に入る』から取り上げてみたいと思う。
大目に見るということは、自分で自分に言い聞かせてきた妥協の表れであることが多い。
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