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脱炭素分野で日本・EUが調達ルール…安価な中国製念頭、価格以外も考慮へ - 読売新聞オンライン

 【ブリュッセル=秋山洋成】日本と欧州連合(EU)は、風力や太陽光、水素といった脱炭素分野で新たな政策協調の枠組みを設ける。太陽光パネルなどを調達する際、環境への配慮など価格以外も判断材料とするよう、日欧で共通ルールを定める。安価な中国製を念頭に、経済安全保障の観点から特定国への過度な依存を下げる狙いがある。先進7か国首脳会議(G7サミット)でも共有し、国際的なルール作りを目指す。

 斎藤経済産業相と欧州委員会のカドリ・シムソン委員(エネルギー担当)が3日、東京都内で会談して合意する見通しだ。

 共同声明には、政府による「市場 歪曲わいきょく 的な補助金」で、太陽光パネルなど戦略物資を特定国に依存させる「経済的依存関係の武器化」に深い懸念を共有することなどを盛り込む。

 対応策として、太陽光や風力、水素の脱炭素に関する3分野について、不当な政府補助金がないかの確認のほか、特定国に依存しないこと、環境や人権への配慮、安全性といった共通ルール作りを進める。近く作業部会を設置して、詳細を詰める。3分野にとどまらず、半導体や電気自動車(EV)などにも広げる。

 念頭にあるのが中国だ。過度な補助金で脱炭素分野の自国製品の価格競争力を高めており、懸念が強まっている。欧州では中国製の太陽光パネルが市場を席巻し、風力発電や水素関連でも中国製の存在感が増している。欧州委トップは「多くの企業が多額の補助を受けた中国企業に押し出された」と不満を示す。欧州委は中国製EVや太陽光パネル、風力関連で補助金の有無などを調査している。

 日欧が一致するのは、戦略物資や重要技術で中国の依存度を減らす「デリスキング(リスク低減)」の考え方だ。11月の大統領選を控える米国は、中国との対立を先鋭化させている。これに対し、日欧は「公平な競争を促進する」ことを強調する。

 また、水素の活用に向けて、国際的なルール作りなど、2040年頃までの共同の工程表の策定でも合意する見通しだ。

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