この記事をまとめると
■改造車の世界ではFRP製エアロパーツが主流となっている
令和時代にも細々生き残っていた! 一世を風靡した「水中花シフトノブ」のいま
■デコトラはいまだにステンレスや鉄のパーツで飾られることが多い
■デコトラ愛好家にステンレスや鉄が好まれる理由を解説する
ステンレスやメッキのような輝く素材が好まれる
改造車の世界では、軽量かつデザイン性にも優れた素材であるFRP製エアロパーツが主流となっている。この流れは、いまのところ変わることはないだろう。
しかし、なぜか重量があってデザイン性にも自由度が高くないステンレスや鉄でパーツを製作するという、不思議な改造ジャンルも見受けられる。そう、デコトラだ。
トラックをベースにデコレーションすることから広まったこの文化は、なぜ乗用車向けになりにくい素材である、ステンレスや鉄を好むのだろうか。その部分を考察してみたい。
トラックを飾るという文化が芽生えたのは、おそらく1960年代のこと。とはいえ当時はトラック専用の改造パーツなどが存在しなかったため、バス用の部品や家庭用品などを流用して取り付けていたという。
やがてステンレスや鉄にメッキをかけ、輝きをもたせた素材の飾りが取り付けられるようになり、現代でいうデコトラの基本が生み出された。
やっぱりギラギラなのが好き!
では、なぜステンレスや鉄メッキだったのか。その答えは単純で、ただほかに素材が存在しなかったのだと考えられる。バスやトラック、そして普通乗用車のフロントバンパーも鉄にメッキをかけたものが基本で、現代のような樹脂製のものは存在しなかった。もちろん、FRPなど当時は夢の話である。アルミニウムも1960年代以後、電車の車体などで使用され始めたが、軽量ではあるが強度面や価格面などを考えると、自動車向けの素材であったとはいえない。そのため、ステンレスや鉄メッキが愛用されたのである。
メッキ工場の数が減少した現代では鉄メッキの飾りを高級アイテムと呼ぶ傾向にある。しかし、当時では錆びないという強みを持つステンレスのほうが高価な素材であったため、安価な鉄メッキの素材が好まれた。ただし、スチールは当然のごとく雨や雪、凍結防止剤などによって錆びてしまうため、美しさを維持することは難しい。当時は走れば走るほど稼げた時代だったため、錆びてボロボロの状態で走るデコトラも多かった。メンテナンスするよりも、また製作すればいいと考える多忙なオーナードライバーも多かったのだろう。
そのような流れから、現在でもステンレスや鉄製の飾りを取り付けることが受け継がれているのだろう。
そんなデコトラの内情を知り、進化のない時代遅れな文化だと感じる人がいるかもしれない。誤解を招かないように補足しておきたいのだが、デコトラにもFRPの波が押し寄せたことはあった。おそらく1990年代のことだったと思う。とあるショップがFRP素材の飾りを開発したのである。軽量かつデザイン性が高く、光を通す。そんな画期的なアイテムだったが、デコトラ愛好家の好みにはそぐわなかったのだ。そう、彼らはステンレスやメッキのような、輝く素材が好きなのである。
むしろステンレスや鉄メッキで飾るからこそデコトラであるということを、無意識のうちに肌で感じているのだろう。
ちなみに現代では外国メーカーの車両を参考にしたユーロ系などのトラックを日本でも見かけるようになってきた。それはそれで素敵だとは思うのだが、日本独自の文化であるデコトラとはまったく異なる世界である。よく混同されてしまうのだが、そのじつは正反対といってもいいだろう。
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