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プーチンの「ガス戦争」後も競争が続くLNGの行方 - 東洋経済オンライン

ウクライナ戦争に伴う天然ガス価格の高騰は収まったが、脱炭素分野でもLNGの行方が注目される。

LNGはアジアで石炭との競争にさらされている(写真:Brandon Thibodeaux/The New York Times)

ロシアがウクライナに侵攻して2年が過ぎた。戦禍は収まらないがプーチン大統領が仕掛けた「ガス戦争」は終結し、天然ガスの市場には平穏が戻っている。

戦争でガス供給の大宗を絶たれた欧州だが、域内からの供給に加えて液化天然ガス(LNG)の大量流入により未曾有の危機を乗り越えた。暖冬と経済停滞、それに省ガス政策で消費は減り、直近の在庫貯蔵率は歴史的高水準にある。

欧州のガス市況は、ロシアからの供給停止で2022年夏には1メガワット時当たり345ユーロに達したが、今では20ユーロ台で推移する。エネルギー歴史家のダニエル・ヤーギン氏は、「プーチン氏はガスを武器にウクライナ支援の同盟を骨抜きにすることを企んだがLNGのおかげでそれは失敗に終わった」と述べている。

脱炭素なのに石炭依存が続くアジア

今から55年前に世界初のLNGが米アラスカ州から日本に向けて出荷されて以来、今ほどこの液体燃料が脚光を浴びたことはない。

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