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「女性用下着業界」が地盤沈下…しまむらの“安価な大量生産商品”の勢いに勝てず――大反響トップ10 « 日刊SPA! - 日刊SPA!

反響の大きかった2023年の記事からジャンル別にトップ10を発表してきた。今回は集計の締切後に、実は大反響だった記事に注目。年間ランキングで忘れられがちな11月12月に公開した社会経済ニュース記事から選ばれた、第7位はこちら!(集計期間は2022年11月~2023年1月。初公開2023年11月30日 記事は取材時の状況)  *  *  *  中小企業コンサルタントの不破聡と申します。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、「有名企業の知られざる一面」を掘り下げてお伝えしていきます。  女性用下着で業界トップを走ってきたワコールホールディングスが、業績不振から抜け出すことができません。2024年3月期は120億円の営業損失を予想しており、2期連続の営業赤字となる見込みです。  ストッキングのアツギも今期は赤字を予想。6期連続の営業赤字となる公算が高まりました。各社ともに消費者意識の変化への対応が遅れているという、共通の課題を抱えています。
ワコール

© J_News_photo

「売上高が1割減少した」ピーチ・ジョン

 ワコールは2024年に68の商品ラインのおよそ4割を削減。低収益の22店舗、百貨店10店舗を撤退し、希望退職者150名の募集をかけて2024年4月30日に退職する大規模なリストラ策に乗り出しています。この構造改革費用として60億円を充てる予定です。  2023年4-9月のワコール国内事業の売上高は、前年同期間比3.3%減(15億円のマイナス)となる472億円でした。ピーチ・ジョン事業の同期間の売上高は55億円で、8.7%(5億円)も減少しています。  ワコールは2024年3月期の売上高を前期比3.9%増の1960億円と予想していますが、上半期は2.4%の減収で折り返しています。

「日本の老舗」だからこその強みが

 特に苦戦しているのが、「Wacoal」と「Wing」という2つの主力ブランド。中価格帯に属する商品です。上半期の量販店経由で販売した「Wacoal」の売上高が、前年同期間の1%、「Wing」は9%のマイナスでした。  ワコールは日本の下着メーカーの老舗で、日本人の体型に合った商品を用意できることに強みがありました。優れた縫製技術に裏打ちされた製品力を持ち、商品ラインナップが多かったことも特徴の一つでした。女性の多種多様な感性と体型に合ったものを提供できたのです。  かつてワコールと激しく競争していたトリンプ・インターナショナルが、「天使のブラ」を販売したのが1994年。このブラジャーは肩紐のズレを防止する機能性と、パステルカラーを多用した華やかなデザインが特徴でした。  90年代は付け心地と同時に、下着のファッション性も重視されていました。

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