
1976年に立ち上げられた古参のアウトドアブランドが成長を遂げている。新潟県三条市に本社を構える、キャプテンスタッグだ。本特集では、3回にわたり、同社の強さの秘密を探る。第1回は、1万点超の商品を取り扱い、年間300以上もの新商品を世に送り出す驚異的な商品開発力に迫る。新ジャンルも積極果敢に開拓する、執念のものづくりとは。
新商品開発の秘密 「芋づる式発想法」の威力
新潟県三条市に本社を置くキャプテンスタッグといえば、日本の老舗アウトドアブランドだ。台所用品メーカーのパール金属(新潟県三条市)のアウトドア部門として1976年に誕生し、2012年からは子会社として独立した経営を進めている。ブランド創立から40周年を迎えた16年の売上高は94億円だったのに対し、21年には122億円にまで成長。存在感を増している。
キャプテンスタッグの特徴は、アウトドアブランドとしては世界にもまれな品数の幅広さだ。テントやBBQコンロなど主役級の大型商品や、テーブルウエア、アウトドア雑貨といった小物類まで充実している。近年ではアクティビティーを楽しむために必要な道具類が拡充されており、SUP(スタンドアップパドルボード)、ファットバイク、スノーシューなど、より幅広い領域までカバー範囲を広げてきた。現在の商品点数は総計1万点以上。年間に新発売される商品は300点以上に上るという。
キャプテンスタッグが次々と新商品を開発できる理由は、芋づる式に連鎖する消費者ニーズを察知する感性にたけているからだ。
例えば、キャプテンスタッグの第1号商品として1976年にBBQコンロを売り出したとき。バーベキュー文化への関心が高まる中、消費者のニーズを先回りして関連商品を続々と開発することで商機をつかんだ。
肉を焼くためにはトングや串が必要。さらに立ったままでは疲れるから、ちょうどいい高さのアウトドアチェアも求められる。座った高さに合わせたテーブルも……、といった流れでニーズが連鎖していくことを捉えたわけだ。
キャプテンスタッグの商品開発力について、アウトドア企画開発本部長の村松勉氏は次のように解説する。「キャプテンスタッグは、ものづくりの高い技術を持った会社と自負しています。アイデアを商品に落とし込むまでのスピードが非常に速い。地域特性として町工場の集積しているエリアに本社が所在していることが理由の一つです。また、(親会社の)パール金属の自社工場が近場で稼働していることも大きい。このようなバックボーンがあるため、市場の最先端を知る小売店さんから寄せられた情報に対して迅速に応じられるなど、消費者のニーズを先取りする商品開発が継続できました」
85年入社の村松氏は、キャプテンスタッグの古参社員の一人だ。ブランドが誕生して間もないころからの歩みを知る人物である。
日本文化に寄り添ったアウトドアギアの開発を
バーベキューやキャンプといったアウトドアアクティビティーの本場は米国だ。村松氏によると、日本人の価値観に合ったアウトドアギアをキャプテンスタッグは模索してきた。
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