今年に入って2回目となったサムスンのイヴェント「Galaxy Unpacked 2020」で、同社は多くの新しいデヴァイスを発表した。スマートフォンのフラッグシップモデルに折り畳みスマートフォン、タブレット端末、スマートウォッチ、そしてワイヤレスイヤフォンだ。
今回のイヴェントは、Galaxy Unpackedとして史上初の完全なヴァーチャルイヴェントとして開催された。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)において移動しなくて済むように、イヴェントの様子は韓国からライヴストリーミング配信された。
デヴァイスそのものはどうだったのか。どの新製品もサムスンの今回のフラッグシップカラーである光沢のあるブロンズ一色に染まっており、そして…どれもとてつもなく高価だった。
現在の米国は厳しい経済危機に陥っており、何百万人もの米国人が失業している。こうしたなか、山ほどの新技術が投入されている。だが、時間を止めることはできないし、サムスンが大量の製品を生み出す自社の生産体制を止めることもできない。サムスンが今回のイヴェントで発表した製品すべてを紹介しよう。
「Galaxy Note 20」と「Note 20 Ultra」
サムスンのスマートフォンのフラッグシップモデルは、発表イヴェントではいつもスポットライトを浴びる。今年も例外ではない。発表されたのは「Galaxy Note 20 Ultra」(1,300ドル=約13万7,000円)と、Galaxy Note 20」(1,000ドル=約10万5,500円)だ。
この2機種は、実はサムスンが今年初めにリリースした「Galaxy S20」シリーズとそこまで大きな違いがない(もちろん価格はS20と同様に高価だ) 。画面サイズは「Galaxy S20+」と「Galaxy S20 Ultra」と同じで、それぞれ6.7インチと6.9インチとなる。2機種とも5Gに対応しており、S20シリーズとほぼ同じ、あるいはまったく同じカメラシステムを搭載している。
Galaxy Note 20 Ultraは、64メガピクセルの望遠カメラの代わりに、12メガピクセルの望遠カメラを搭載している。108メガピクセルのメインカメラは変わりない。このカメラは被写体を最大50倍にズームアップしながら、高い画質を維持できる。
Galaxy Note 20は、Galaxy S20+と同じカメラを搭載している。ただし、いずれのNoteも、拡張現実(AR)機能とポートレートモードを強化するToFセンサー(深度カメラ)を搭載していない。
それでは、何が新しいのか。Note 20 UltraとNote 20は、19年に発売されたNote 10と似た四角いスマートフォンである。背面はマットガラスで(ブロンズ色が特にお薦めだ)、意外にもバッテリー容量はS20より小さい(それぞれ4,500mAhと4,300mAhとなる)。
搭載されているプロセッサーが新しいSnapdragon 865+であることから、どちらも従来機種より少しパワーがある。だが、違いに気づく人はあまりいないだろう。カメラアプリは、動画撮影時のより細かいコントロールを可能にする、機能豊富なプロモードを備えている。プロモードでは、録音にスマートフォンのどのマイクを使うか選ぶこともできる。
少し不思議に感じたのは、S20シリーズで導入されたリフレッシュレート120Hzのディスプレイを備えているのが、Note 20 Ultraだけである点だ。Note 20は、相変わらず伝統的な60Hzのディスプレイを採用している。また、通常モデルのNoteはフラットパネルだが、Ultraは湾曲したディスプレイを採用している。
2機種のNoteの特に注目すべき点は、スタイラスペン「S Pen」だ。サムスンによると精度と応答性が向上しているという。さらに今年のS Penには、「Anywhere」アクションと呼ばれる新しい機能が搭載された。S Penで5種類のジェスチャー操作をすることで、スマートフォンの任意の機能を呼び出すことができる。例えば、S Penを空中で左にスワイプすれば、アプリを起動できる。
サムスンは標準のノートアプリもアップデートしている。ノートを自動保存し、保存されたノートを手持ちのすべてのデヴァイスと同期させられるようになった。手書きの文字をテキストに変換したり、アプリ内のPDFファイルに注釈をつけたり、ハイライトを入れたりもできる。今年の後半には、書き込んだノートをマイクロソフトの「Microsoft OneDrive」や「Outlook」のアカウントと同期できるようになる。
そしてマイクロソフトといえば、NoteシリーズはWindowsとの連携がより緊密になった。「Windowsにリンク」機能を使えば、Windowsでショートカットを作成してモバイルアプリに素早くアクセスできる。秋にはPCの画面上で複数のアプリを並べて実行できるようになる予定だ。マイクロソフトの「Xbox Game Pass」もNote 20シリーズで使えるようになるので、スマートフォンがあればどこにいてもXboxのタイトルをスマートフォンにストリーミングできる(ただし、非常に高速で安定したネット接続が必要になる)。
さらに驚くことに、サムスンは同社のすべてのデヴァイスで3年間にわたるAndroidのアップグレードを提供すると発表した。これはグーグルのスマートフォン「Pixel」シリーズと同じ条件であり、サムスンがこれまで提供してきた2年のサポートより手厚いものになる。Note 20とNote 20 Ultraは米国では8月6日から予約受付が開始され、8月21日に正式に発売される[編註:日本での発売は現時点では未定]。
タブレット端末「Galaxy Tab S7」と「Tab S7+」
サムスンの最新のタブレット端末となる11インチの「Galaxy Tab S7」と12.4インチの「Galaxy Tab S7+」は、米国で初めて5Gに対応するタブレットとなる。とはいえ、5Gのネットワークに対応する地域はまだ少なく大半の人は利用できないので、この新機能にあまり意味はない。
それでも、これらはパワフルなタブレット端末だ。新しいNote 20シリーズと同じSnapdragon 865+プロセッサーを搭載し、ディスプレイのリフレッシュレートは120Hzで、Dolby Atmos対応の4つのスピーカーが内蔵されている。
ただし、ふたつのタブレットの違いはサイズだけではない。Tab S7はAMOLED(アクティヴマトリクス式有機EL)ディスプレイではなく液晶を採用しているが、Tab S7+はAMOLEDパネルを搭載している。
マイクロソフト製品との連携の多くは、スマートフォンだけでなくタブレット端末でもサポートされる。サムスンによると、秋にはWindowsマシンでTab S7をセカンドスクリーンとして利用できるようになるという。
どちらのタブレット端末にもS Penが付属しているが、トラックパッド付きのキーボードなどの周辺機器を追加したい場合は、さらに多額のコストを覚悟する必要がある。Tab S7シリーズは、すでにかなり高価だ。11インチモデルが650ドル(約68,000円)からで、12.4インチのTab S7+が850ドル(約89,000円)から。いずれも米国では8月21日に発売される[編註:日本での発売は現時点では未定]。
スマートウォッチ「Galaxy Watch3」
ウェアラブルの分野においては、新たに「Galaxy Watch3」が発表された。この端末は18年の「Galaxy Watch」の後継モデル(“Galaxy Watch2”は発売されていない)であると同時に、19年に発売された「Galaxy Watch Active」と「Galaxy Watch Active2」の後継でもある。
注目すべき変更点は、オリジナルのデザインより小さくて薄く、かつ軽量になっていること。ただし、1.4インチの丸型ディスプレイは少し大きくなっている。サイズは41mmと45mmで、サムスンによるといずれのモデルもバッテリーは2日間もつという。
大きな改良点は主に3つあり、いずれも健康に関するものだ。まず、Galaxy Watch3では、運動中に最大酸素摂取量(VO2max)を測定できる。これは運動持久力の測定によく使われる指標だ。さらに血中酸素飽和度(SpO2)も測定できる。
そしてサムスンは新しい睡眠評価システムによって、睡眠トラッキング機能を強化している。睡眠トラッキングは以前からサムスンのスマートウォッチで利用できたが、同社はさらに多くの要因を分析する5段階のアルゴリズムを国立研究所と共同開発し、そのデータを使って睡眠のパフォーマンスを総合的に評価できるようになったという。
ほかにもLTE接続や「Samsung Pay」による決済機能、「Apple Watch Series 5」と同じような転倒検知システムなどが搭載されている。さらに心電図計測機能があり、血圧も測定できる。米国で心電図の測定機能を利用できるようにするために、サムスンは米食品医薬品局(FDA)の許可を取得したところだという(血圧測定は韓国でのみ利用可能だったが、現在はブラジルでも利用できる)。
Galaxy Watch3は41mmモデルが400ドル(約42,200円)、45mmモデルが430ドル(約45,400円)で、8月6日に発売される[編註:日本での発売は未定]。LTEモデルはそれぞれ450ドル(約47,500円)、480ドル(約50,600円)となる。
ワイヤレスイヤフォン「Samsung Galaxy Buds Live」
ワイヤレスイヤフォンの「Galaxy Buds Live」も発表された。このイヤフォンは、サムスンが今年初めに発売した「Galaxy Buds+」の後継のような位置づけだが、Buds+もそのまま残りそうだ。
Buds Liveは、アクティヴノイズキャンセリング機能を搭載することによってBuds+との差異化を図っている。この機能を使えば周囲の環境音を遮断できる。
外観は従来とは大きく異なる(まるで豆のようだ)。サムスンは、この形のほうが快適にフィットすると説明しているが、Buds+のような密閉機能はない。また、大型の12mmドライヴァーを搭載しているので、豊かなサウンドを楽しめるはずだ(チューニングは老舗オーディオブランドのAKGが担当している)。
サムスンは音声通話やヴィデオ通話でマイクの音質が向上したことも訴求している。イヤフォンには3つのマイクが内蔵されており、ビームフォーミング技術によって環境ノイズを除去し、話者の声だけにフォーカスして音声の明瞭度を高める。また、サムスンの音声アシスタント「Bixby」を常にバックグラウンドに常駐させて、いつでも指示を受けられるようにできる。
ただし、常時オンにしたBixbyとアクティヴノイズキャンセリングには代償が伴う。サムスンによると、これらの機能をオンにした場合、Buds Liveは約5.5時間しかもたない。これらの機能をオフにすれば8時間はもつという。これらのバッテリー駆動時間の推定値は、どちらもGalaxy Buds+の11時間より短い。なお、ワイヤレス充電に対応したケースには、さらに21時間分をチャージしておくことができる。
Galaxy Buds Liveは8月6日に170ドル(約18,000円)で発売される[編註:日本での発売は現時点では未定]。この価格は、同じくノイズキャンセリング機能を搭載したアップルの「AirPods Pro」より80ドル(約8,400円)安い。
折り畳みの新モデル「Galaxy Z Fold2 5G」
サムスンは予想されていた通り、折り畳みスマートフォン「Galaxy Fold」の後継機種となる「Galaxy Z Fold2 5G」の開発も進めていた。やや呼びづらいが、この名称はサムスンが今年発売した折り畳みスマートフォン「Galaxy Z Flip」の命名方式に従っている。
Galaxy Z Flipでは昔の携帯電話のような縦型の折り畳みスタイルを採用していた。これに対してFold2は、初代Foldのように本を左右に開くようなスタイルになっている。
初代との大きな違いは、本体を閉じたときに見えるメインのフロントディスプレイにある。初代の小さな4.6インチの画面サイズとは対照的に、Fold2は本体を開かなくても6.2インチの縦長の画面をフルに利用できる。そして開くと、少し大きい正方形に近い7.6インチの画面になる。新機種の内側のカメラはパンチホール式なので、ほぼフルスクリーンと同じような体験といえる。
初代のFoldは、多くの製造上の問題を抱えていた。新モデルでサムスンは、これらの問題の一部に対処している。まず、ディスプレイはプラスティックではなく、超薄型ガラス「UTG(Ultra Thin Glass)」だ。
サムスンによると、新しいディスプレイは強度と柔軟性のバランスがとれているという。ヒンジは改良されて丈夫になっており、さまざまな角度で画面を開いたままにできる。
このヒンジにはまだ隙間があるが、これは初代の問題点のひとつだった。ほこりが入りやすく、それが内部の部品を損傷させたのだ。そこでサムスンは、汚れが入り込まないようにブラシを内蔵したという。
Fold2にはブロンズとブラックの2色が用意される。価格は初代のFoldと同じ1,980ドル(約20万9,000円)で、9月1日から予約開始となる[編註:日本での発売は現時点では未定]。
※『WIRED』によるスマートフォンの関連記事はこちら。サムスンの関連記事はこちら。
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