フランスはファーウェイを実質排除する意向だ=ロイター
【パリ=白石透冴】フランス政府が次世代通信規格「5G」について、中国の通信機器最大手華為技術(ファーウェイ)製品を2028年までに排除する意向であることが分かった。安全保障上の危険があると判断した。27年までの排除を決めた英国とほぼ同じ対応で、仏中関係の悪化は避けられない。
仏紙レゼコーなどが報じた。仏政府は大都市での20年中の5G提供を目指しているが、ファーウェイ製品を使う通信会社に対しては事業許可を3~8年しか与えない意向だという。
さらに許可は更新されず、通信会社は最長でも28年までにファーウェイ製品を外すことが実質求められる。仏通信大手ブイグテレコムやSFRは4Gでファーウェイ製品を使っており、対応が必要になるとみられる。仏各地の5G提供にも遅れが出る可能性がある。
仏政府はこれまでファーウェイを排除しないと公的には表明しつつ、情報漏洩などの危機の程度を見極めようとしていた。19年施行の新法では、5Gを使う通信会社は従来より厳しい仏当局の審査を受けなければいけないなどと定めた。
中国による新型コロナウイルス発生後の攻撃的な発言、香港の自治侵害などが相次ぎ、外交上の緊張関係が続くと判断した。ウイグル族への弾圧疑惑もフランスでは反感が高まっており、ルメール経済・財務相は21日、メディアの取材に「非常に不愉快で受け入れられない」と語っていた。
米商務省は5月、ファーウェイに対する事実上の禁輸措置強化を発表した。ファーウェイが必要な半導体を調達できなくなり、製品の安全を保てなくなる懸念があるとの指摘も出ている。
米政府は欧州にファーウェイの完全排除を求めて圧力をかけ続けてきた。フランスは米国とある程度足並みをそろえることで、安全保障上の関係を強める狙いも透ける。
仏国家情報システム・セキュリティー庁長官は7月上旬、仏メディアの取材に「欧州外の製品には注意を払っている」と語った。エリクソンやノキア(スウェーデン)製品の導入を推奨する見通しだ。
英国は14日、27年までに5Gからファーウェイを排除することを決めている。これまで周辺機器に限り容認する姿勢だったが、方針転換した。米国のファーウェイに対する追加制裁や、中国依存を見直すべきだとの強硬派の意見が強まったことが背景だ。
中国の劉暁明・駐英大使は英政府の判断に「間違った判断だ」と反発している。フランスの意向にも批判を強める可能性が高い。欧州はスペインなど比較的ファーウェイ製品に寛容な国と英仏のように排除の姿勢を強める国とで温度差が出ている。
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July 23, 2020 at 06:00PM
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フランスもファーウェイ排除 5G製品、28年までに - 日本経済新聞
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