絶賛発売中の「ファイナルファンタジーVII リメイク(以下、FFVII リメイク)」。世間の期待も大きい作品でしたが、その期待を上回る面白さに、筆者はもちろんのこと、編集部やライター界も騒然としていました。
せっかくならば、この興奮をみんなで共有したい。既にプレイをした人たちと感想を共有しあい、まだプレイを迷っている人たちにも伝えたい……! そんな思いで集まった、Gamer編集部を中心とした、4人のメンバー。
「FFVII リメイク」の魅力を、オリジナル版「ファイナルファンタジーVII(以下、FFVII)」プレイヤーと、「FFVII リメイク」で初めて「FFVII」の世界に触れたプレイヤーの目線で、色々語ってもらいました。
メインストーリーはもちろんのこと、バトル、キャラクター、グラフィック、音楽、そして分作についてまで、ボリュームたっぷりな座談会の模様をお届けします。
※この記事には「FFVII リメイク」のネタバレが、少なからず含まれます。ご了承ください。
座談会参加メンバー
TOKEN
Gamer編集。「ファイナルファンタジー(以下、FF)」シリーズは、「IX」「X」を除いて未プレイ。「FFVII」はオリジナル版をプレイはしたものの、エアリスの「あのシーン」でショックを受けてそこでプレイを断念。プレイ当時のことは、基本的に覚えていない。
ヨッシー
Gamer編集。「FFVII」のオリジナル版は昔プレイをしたものの、チョコボファームの存在に気付かないままミドガルズオルムに行く手を阻まれ、プレイを断念。なお、オリジナル版をプレイした理由は、「当時同じクラスで気になっていた女の子がプレイしていたから」。
近藤智
幅広いジャンルのゲームをプレイするフリーライター。「FF」シリーズはMMOも含めてほぼプレイ。「ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン(以下、AC)」や「クライシス コア -ファイナルファンタジーVII-(以下、CC)」などのコンピレーション作品もプレイしている。
アサミリナ
JRPGが主食。「FF」シリーズを、初代からMMOまで全てリアルタイムでプレイしているフリーライター兼、司会。Gamerの「FFVII リメイク」全試遊レビューを担当。「FFVII」は、23年で合計30周ほどプレイ。「ダージュ オブ ケルベロス -ファイナルファンタジーVII-(以下、DC)」や「ビフォア クライシス -ファイナルファンタジーVII-(以下、BC)」など、コンピレーション作品も全てプレイ。
ゲーム全体の印象を、まずは自由に語ろう
アサミ:今回は「FFVII リメイク」についての座談会ということで、編集部とライターから「FFVII リメイク」の魅力に憑りつかれた方々をお呼びしました。オリジナル版からのファンと、実質初見プレイという方々とで、様々な目線から「FFVII リメイク」について、語っていただきます。
私と近藤さんは「やらない」という選択肢がない側なので、初見組のTOKENさんとヨッシーさんは、今回どうして「FFVII リメイク」をやってみようと思ったんですか?
TOKEN:事前情報を見て面白そうだと思っていたのと、今のこの在宅勤務の流れのおかげでプレイする時間ができたからというのが大きいです。
ヨッシー:僕はシリーズとしては「ファイナルファンタジーVI(以下、FFVI)」と「ファイナルファンタジーXIV(以下、FFXIV)」だけプレイしているんですが、「XIV」が歴代の「FF」シリーズをフィーチャーする作品なので、過去の「FF」作品に興味を持っていたのもあって、今回「FFVII リメイク」をやろうと思いました。
実際にプレイしてみると、ガードスコーピオンとか、「あ、これ、XIVにも出てきたやつだ!」というのが色々あって楽しいです。
近藤:「XIV」は、そういうところ多いですもんね。既存作品を遊んでいる人はテンションあがるけれど、やっていないとそのノリに置いていかれて、ポツーン、みたいな。でも昔の作品が「XIV」で見直されるっていうのは、いいですよね。
アサミ:私と近藤さんはオリジナル版からのファンですけど、クリアして改めて振り返ってみてどうでした?
近藤:「リメイク」っていう単語からは、ボリュームを膨らませつつ、既存のものを再構成するんだとばかり思ってましたけど、蓋を開けてみたら……、っていう。
アサミ:私は2019年の8月くらいから何回も様々なバージョンの体験版をやらせてもらっていたんですけど、私も最後の最後、製品版の先行プレイをさせてもらうまで、あくまで「そういう作品」だと思っていたんですよね……。
製品版の先行プレイで七番街スラムに来て、ティファにクラウドの部屋まで案内されて……あの辺りから猛烈に「ヤバい、これは違う」と思い始めて、「私、この作品のレビュー書かなきゃいけないんだ……どうしよう……」って、ずっと変な汁が出ていました(笑)。
ヨッシー:そんな早くから違ったんですか?
アサミ:壱番魔晄炉爆破以降は、オリジナル版通りの場所のほうが少ない(笑)。もちろん大筋は同じなんですけど……その大筋も七番街スラムの時点で冷や汗が出るくらいには違っていますね。そもそもセフィロスって、ミッドガルでは出てこないですし。
近藤:でもセフィロスは「FFVII」の象徴ですし、上手くイベントを入れてきて、オリジナル版を未プレイの人にもセフィロスの存在を印象付けつつ、昔からのファンもセフィロスが出てきて嬉しいし、良い入れ方でした。
ヨッシー:「FFVII リメイク」は、とにかくミッドガルという街を味わいつくした感がありますよね。
TOKEN:ミッドガルの構造は細かい位置関係も含めてすごく練られていたし、自由度が高いほうではないけれど、その中で充分作品の世界を堪能できました。
アサミ:自由度は確かにあまりない方でしたけれど、私たちは大筋の流れは知っているのもあったので……TOKENさんとヨッシーさんにはどう映ったんでしょう?
ヨッシー:合間になんでも屋クエストが挟まれるし、なんでも屋クエストも自分でやるかやらないか取捨選択ができたので、あまり気にならなかったですね。とは言っても、なんでも屋クエストは絶対全部やるんですけど(笑)。
近藤:あれは、初回はやらなければいけないものです!
ヨッシー:ですよね(笑)。なんでも屋クエストのおかげで、ストーリーを進めていくパートとあの世界を見て回るパートとで緩急があって、遊びやすかったですよ。
TOKEN:個人的には、日本ファルコムさんの「軌跡」シリーズに近く感じました。
近藤:それ、私も思いました。
TOKEN:ストーリーがあって、クエストがあって、っていう流れが、近かったですよね。目的とサブコンテンツ的なものがあれくらい分けられているほうが、遊びやすい。それがごちゃまぜになっている作品は、何からやればいいのかプレイヤーも解らなくなっちゃうかなと。「FFVII リメイク」はその点、筋道が解りやすかったですね。
ただ、ストーリーそのものは、いくつか断片的すぎて、初心者には解りにくいところはあったんですよね。
近藤:多分それはオリジナル版とかコンピレーション作品をプレイしていると、「うわあーーー!」ってなるところかな。私はとりあえず今猛烈に、「ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン コンプリート」(以下、「ACC」)が見たい! でも「ACC」のほうは買っていなかったのか、手元にない! もう買っちゃおうか、迷ってます!(笑)
アサミ:多分クリアした人みんな同じ気持ちだから、某通販サイトのトップセラーに「ACC」が入っているんだと思いますよ(笑)。(※2020年4月、収録時点)
ちなみに「ACC」には「ファイナルファンタジーXIII(以下、FFXIII)」の体験版がついていたから、近藤さんが持ってないってことは絶対ないと思う……。
近藤:ええ……。じゃあ持ってるはずだ……。探します……。
アサミ:「アドベントチルドレン」は直接「FFVII リメイク」に深く関わっているかというとそこまでだけど、見ておくと多分その断片的な部分をいくつか埋められるとは思いますよ。
コンピレーションといえば、オリジナル版になかった一番大きい追加部分は、実は地下研究施設なんですよね。
ヨッシー:ああ、猫を助けに行く……。
アサミ:猫は案内してくれるだけで、助けに行く対象は違う……(笑)。
ヨッシー:しまった、猫への愛が先に(笑)。
一同:(笑)。
アサミ:あの地下施設は、恐らく「DC」で出てきたディープグラウンドという場所に繋がるんですよね。ディープグラウンドの話は「CC」にも絡んでくるので、「CC」にも関連していると言っていいかな。
TOKEN:そうだったんですね。でも、あそこらへんの流れは、言われないとわからないくらい、全然違和感なかったですよ。
アサミ:「DC」とか「CC」、「BC」で、神羅の闇みたいな部分をオリジナル版よりもかなり広げたのもあって、リメイクではそこに繋がる要素を入れてくるんじゃないかという予想はしていたんですけれど、かなりうまく入れてきましたね。
ヨッシー:あの地下施設の話があったからこそ、エアリスを助けるために神羅ビルに乗り込むぞっていう気持ちが出来ていたんで、いい流れだなぁと思いましたもん。まさかオリジナル版になかったとは。
アサミ:とりあえず神羅に関しては、語りたいことが山のようにあるんだけれど、自社ビルの上層にあの巨大な実験場があるのかよ、っていうのは、プレイしながらめっちゃ思いました(笑)。
近藤:当時は実験施設がもっと小さめなマップだったし、そこまで不思議な感じもしなかったけど……、「あの規模の実験施設が、あそこにあるの!? 自社ビルだよ!?」っていうのはわかります(笑)。
アサミ:物騒にもほどがあるし、あと頑丈すぎるよ、神羅ビル(笑)。爆発にも耐えられる内壁の自社ビル。
近藤:リナさん、最後のほうのあたりから、演出とかが「これ、FF版キングダム ハーツじゃないかな」ってめっちゃ感じませんでした?
アサミ:ああ……わかりみが深い……。
近藤:野村哲也さんの演出のDNA、みたいなものを感じましたよね……。「FF」には時代の最先端の技術を詰め込んでほしい、という願望が個人的にはあるので、最高峰のRPGの一つなのは間違いないなっていうのは、感じられたかな。
アサミ:ちなみに皆さん、なんでも屋クエストの量とかはどうでした?
ヨッシー:もっと欲しかった(笑)。
近藤:クリアしてから振り返ると、もうちょっと欲しかったというのはあるんですけれど、一気に進めたいという人が苦も無くやれる範囲なら、ちょうどよかったかな、と。クリア後にクエストが増えてくれるとかだと、もっと嬉しかったかも。
私はクエストを放置できないタイプなので、全部やってもダレずにプレイできる量としては、最適だったと思います。
アサミ:私も本来はクエストを無視できないので、あれくらいでよかったとは思ったんですが、編集部で製品版のレビューのために篭ってプレイしていた時は、決まった時間のなかでとにかく出来るだけ先に進まないとならないというのがあったんで、仕方なく伍番街スラムのクエストを全無視することにしたんです。そしたらマムに「アンタ、伍番街でなんもしてこなかったね」みたいに言われて(笑)。
近藤:そんなセリフあるんだ、細かい(笑)。
アサミ:そうなの。でも伍番街のクエストを全部やっていると、流れ的にあそこで分岐してることに、多分気付かなさそうなのね。だから、ポリシーに反したおかげで、クラウドの行動次第で分岐があることに気付けたっていう。
TOKEN:あの分岐は、割とエグいですよね(笑)。何も知らないで普通にやっていると、気づけないと思う。
イメージ通りなのに、イメージを一新?キャラクターにはみんな驚かされた!
アサミ:皆さん、推しのキャラクターとかはいましたか?
ヨッシー:僕はクラウドです。クラウドというキャラクターはもちろん知っていたんですけれど、今回の作品ですごく「クラウド」というキャラクターを追体験していると感じられたんですよね。
他のゲームへのゲスト参戦とかコラボとかで、クラウドのキャラっていうのはなんとなく知っていつつも、今作をプレイして「お、クラウド、ちゃんとクラウドやってんじゃん」みたいな(笑)。
一同:(爆笑)。
アサミ:クラウドがちゃんとクラウドしてるって、すごくよく解るんだけど、それを原作未プレイの人から聞くと、聴こえ方が色々違う(笑)。
ヨッシー:だから自分がプレイしていて感じたのは、「これは、凄い良くできたクラウドシュミレーターだな」っていう。
アサミ:クラウドシュミレーター(笑)。名言かよ!
近藤:確かにコラボとかだと人間性までは深く触れないことが多いから、クラウドの全体像が見えにくいとかあるんですかね。私はそういうコラボの方をほとんど見ていないから、どういう扱いされてるんだろう、みたいな気持ち。
アサミ:コラボとかスマホとかの派生作品でのクラウドは、物語前半のツンツン時代のクラウドか、たまにオリジナル版でのED後のクラウドもいたりするけど、そのどっちかかな。やっぱり「FF」の顔なんで、基本的に待遇は良いですよ。
ヨッシー:今までなんとなく知ってたクラウドを、深く知れた感じがしました。それで改めてちゃんとクラウドを好きになれたっていう。
TOKEN:僕は割と万遍なくっていうタイプなんで、推しとはちょっと違うんですけど、オリジナル版の頃から印象が変わったのはティファですね。当時そんなにティファ好きじゃなかったはずなんだけど、今回プレイしてティファすげえ可愛いなって思って。
見た目とかよりも、本人を構成する要素というか……リメイクで表現が広がったことで、めちゃくちゃ細かくディティールが表現されていて、人間としての魅力をとても感じました。
エアリスも見た目とかなり印象が違って、ボイスや表情も含めて、自分の中でおぼろげだった印象が固まったのもあり、ティファとエアリス、二人とも可愛いかったなぁ。物語の中でそれぞれの在り方とかもしっかり示されてるんで、そこも凄い印象に残りました。
ヨッシー:エアリスって、あんなにお転婆なキャラでしたっけ。
近藤:そうですね、ティファの方が行動的な見た目をしているけど、ちょっと奥手なところがあって、エアリスの方がおとなしそうだけどぐいぐい来る、みたいな部分はオリジナルからギャップを感じるところでした。
アサミ:声とか表情がちゃんと入ることによって、今回のリメイクで印象がだいぶ変わったっていうファンは多いんじゃないかなと。私もそうでしたし。
近藤:ティファってオリジナル版だと、序盤はそこまで印象強くなかった気がするんですよね。エアリスの方が印象が強くて。でも今回はティファと色んなやりとりがあって、さまざまな心情が垣間見えるってところもあって、序盤からティファとエアリスの間で心が揺れ動きますね。
アサミ:……という、近藤さんの推しは?
近藤:メインキャラクターよりも、サイドのほうに目がいきました。神羅課長とか凄いキャラ付けされたりしていたし、コルネオとかも「こんなに気持ち悪かったんだ」みたいな。
一同:(笑)。
近藤:小説版の「ファイナルファンタジーVII外伝 タークス~ザ・キッズ・アー・オールライト~」に居たレズリーとかキリエが出てきたり、ああいうのってやっぱり嬉しいんですよねぇ。
アサミ:「CC」のカンセルも名前だけとは言え、神羅ビルで出て来てくれたしね。嬉しいやつ。
近藤:「CC」とかも自分は神羅側だったんですけど……でも「FFVII リメイク」で改めて神羅側の人たちを色々と知って、当たり前のことなんだけれど神羅の人たちの中には世界を良くしようと思って働いてる人たちも普通にいるじゃないですか。
昔はバレットたちがやろうとしていることの方が正しいことなんだろう、みたいな漠然とした印象だったんですけど、20年経ってバレットのしていることが必ずしも正しいわけじゃないよな、っていう気持ちになったし、だからサイドキャラクターのほうに気持ちがいったのかもしれません。
アサミ:確かに、色んな立場の人が細かく描かれていることで、アバランチ側が圧倒的な正義ではなくなった感がある。神羅は神羅で、一般社員やリーヴ以外は充分ひどいんだけど。タークスはまだちょっと見えにくいから、割愛。
近藤:神羅ビルの中でもたくさんの人が働いていて、「こんな風に会社ができてたんだなぁ」っていうのをこういう形で見せられると、単純に神羅を悪と断罪するようなことはできないし、他の人達の苦しみとかを見てると、バレットのやり方を完全に肯定もできなくなっちゃって。
でもアバランチはアバランチでみんな事情を抱えていて、ビッグスとウェッジとジェシーへのスポットの当て方とか良かったかな。
そしてリナさんは、ルーファウスでしょ(笑)。
アサミ:アッ、ハイ。そうなんですけど(笑)。でも……私、本当にこの23年間、ルーファウス推しで、クラウドに全く興味なかったんですけれど、実は今作で初めてクラウドを好きになりました……。
一同:(笑)。
アサミ:いや、ルーファウスへの愛は消えていないんだけどね!? クラウドがちょっと想定外というか。
私は「FF」のスマホ系ゲームも色々やっているんですが、スマホゲーだと基本的に声って汎用ボイスだけで、あとはテキストじゃないですか。で、クラウドが相槌を打つところとか、テキストだと当然「ああ」とか「そうだな」になるわけですよ。
クラウドが突然テキストで「うん」とか言い出したら、絶対おかしいじゃないですか。なのに、「FFVII リメイク」ではめちゃくちゃ自然にテキストすらなく、「ん」って相槌を打って、それが違和感ないんですよ。文字にしたら絶対「これはクラウドじゃない!」ってなるはずなのに、文字にならないセリフとか、醸し出す空気感が、マジで良くて。
近藤:すごく分かります……。全体的にテキストだけで表現しきれない溜息とか相槌とか呼吸とか、空気感がめちゃくちゃ良かった。
アサミ:そうそう、「クラウドらしい」のに、本来のクラウドなら言わなさそうなことを言うし、なのにそれが「クラウドらしい」って感じるっていう、自分でも何を言っているのか訳がわからないけど、そこに落ちた。まさかの23年目にしての陥落。
TOKEN:リップシンクとかもとても良かったから、そこで自然さというか、受け入れやすく感じられたっていうのはありますよね。RPGを触ってると、結構口の動きとか固定のパターンしかなくて、口とセリフが合わないことが多いんですけど、この作品では凄く細かく作られてるのは衝撃でしたね。
アサミ:スクエニさんのことだから、きっとあのリップシンクは発売する全言語に対応してる……。
ヨッシー:バレットも、勝利のファンファーレをバレットが歌うのとか、凄い良いなぁって。あのファンファーレが音楽で鳴られるとあの世界では違和感があると思うんですが、バレットが歌うことによってバレットの性格付けにもなっているし。
アサミ:キャラクターの話だけで2時間は喋れるっていうくらい、どのキャラクターも凄いよかった。
近藤:そうそう、ルーファウス、「AC」の頃ってもっと可愛い顔してませんでしたっけ?(笑)
アサミ:なんか今作でめっちゃ凛々しくなってますよね……私も23年間推しだったんで戸惑いましたもん。お美しいのに、凛々しい……この方向性はどうしたよっていう(笑)。モデリングとかの方向性も含めて、「AC」から一番変わったキャラかも。
近藤:単純なびっくり度では、今回一番驚きましたよ。でも、元々こういう人だったんだろうなっていう、そこの延長ではあるんですよね。さっきのリナさんのクラウドの話と同じで、イメージを壊されたわけじゃないのにイメージを変えてくるって、凄いな。
アサミ:オリジナル版からプレイしてきた我々にとっては、全体的にそういうキャラクター多いですよね……。始終、それに驚かされた感があった。
背景とかの作り込みに感動したひとたち
アサミ:今回、細かいところの作り込みが凄かったですよね。「株式会社神羅建設」のポスターがあちこちにあって、「株式会社なんだ……」、ってなったりしました。「確かに株式会社でもおかしくないか……いやちょっと待って、あの世界に株あるの!?」……みたいな(笑)。
一同:(笑)。
アサミ:あと電車にもちゃんと専用の広告があって、本屋大賞とか、音楽のストリーミングサービスを匂わせるようなものもあったりして、「ま、またこういうところにこだわるFF~!好き!」って。
TOKEN:現代の世界観を上手に混ぜ込んでいるなぁっていうのは、あちこちで感じましたよね。
アサミ:スラムは戦後の高度成長期の日本のような雑多さがありつつ、でもあの世界自体にはそういうストリーミングサービスみたいなものだったり、神羅ビルのVR展示だったり、最先端のテクノロジーがあって、時代の融合感が面白かったです。
ヨッシー:神羅社員とか、普通にスーツ着てますもんね。クラウドたちとのギャップが半端なくて、笑ってしまった(笑)。
近藤:でもほら、神羅ビルの中にもソルジャーとか神羅兵とかが治安維持部隊として巡回しているから、きっとああいう恰好の人たちも少なからずいるんですよ!
と言いつつ、あの神羅ビル、現代のオシャレ系自社ビルみたいな感じでリアリティが半端ないから、その中をクラウドたちが練り歩いていくって、私もなんだか不思議ではありました(笑)。
アサミ:神羅ビルにあるペットボトル専用ゴミ箱、ペットボトルが入りきらないで突き出てたりするんですよね。我々がよく駅やコンビニで見かける「あるある」光景まで再現されていて、驚いた。
ヨッシー:そんなところまで再現されてるんだ。
近藤:とにかく全部が「自然」っていう感じなんですよね。写真とかだと当たり前に写り込んでいるけれど誰も気にしないものたちが、きちんと描かれている。ゲームだと、製作者の誰かがその自然にありすぎて気付かない自然な部分に注目して再現しなきゃいけないので、その着眼点に驚きますよ。
ヨッシー:意図して、その自然さを作っているわけですからね。
近藤:ミッドガルも、上から下を見るのと、下から上を見るのとで、全然見え方が違ったりね。
あとマップ画面から更にオプション押すとミッドガルの全体像の地図が見れて、いま自分がどこにいるのかわかるのとか面白かったですね。立体的にミッドガルを感じられるのは初めてでしたし、こういう見せ方をしてくれるのは斬新でした。ミッドガルという街を余すことなく見せてやるよ、みたいな気概が感じられた。
アサミ:最初にティファに部屋に案内されて、寝て、朝起きて、ドアを開けて、朝のスラムを見た瞬間が、自分の中では一番驚いたんですよ。ミッドガルのプレートとか中枢とか、あれが見えた瞬間、「いやもうなんだこれ、こんな景色があっていいのか」とすら思った。ミッドガルの街を知っていたはずなのに、涙が出そうになるくらい感動すると思わなかった……。
近藤:あの風景、驚きますよね。あれを見せられたら、発売までに時間がかかったのもわかっちゃう。
ヨッシー:風景と言えば……ウォールマーケットを歩いていると、セガさんの「龍が如く」を妙に思い出しました(笑)。ウォールマーケットのあのごった煮感って、オリジナル版でもそうだったんですか?
近藤:オリジナル版でも基本的にアルファベットと漢字、平仮名、カタカナが混ざり合っている場所なんですけれど、より一層うまく景色として描いてきたという感じです。ダンジョンの足場とか看板とかも、リメイクで足された部分もありつつ、オリジナル版にあったものを丁寧に描き直している部分と、どっちもあって良かったですよね。
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May 02, 2020 at 10:10PM
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