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Intel NUC 9 Extreme Kitレビュー:小型ゲーミングPCとして最高 - ギズモード・ジャパン

自作派、集まれ!!

パソコン自作。小型PC。ゲーム用端末。どれも一般的ではないものの、必要とする人がいるパソコン業界の必至分野です。そして、これが全部合わさったのが、Intel NUC 9 Extreme Kit。米Gizmodo編集部がレビューしました


小型ゲーミングPCが好きです。スペックにもよりますが、それでも大きいサイズのPCと比べて引けをとらず、物理的に場所もとらないってのが最高です。空冷システムと、小型ゆえに組み立ても小さく手がつりそうになるのが、たまに傷。そこで、IntelのNUC 9 Extreme Kit(別名Ghost Canyon)です。小型なのに組み立てしやすいんです。あと、多少パフォーマンス落ちても価値があると思える、パーツを内部に収めた空冷カートリッジも。

超小型PC、NUC(Next Unit of Computing)は、自作コンピュータキット。キットに含まれるのは、CPU、マザーボード、電源で、その他のストレージ、メモリ、GPU、そしてOSは、別途自分で準備します。リリースから9年ほど経ちますが、基本デスクトップパッケージのモバイルCPUに頼ってきました。が、今回初めてデスクトップグラフィックカードに対応&CPU搭載のカードを採用しました。つまり、ユーザーがプロセッサを取り出し、好きにアップグレードできる作りになっているということです。

Intel NUC 9 Extreme Kit

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Photo: Joanna Nelius (Gizmodo)

これは何?:Intel初のデスクトップGPU対応のNUC。

価格:1,640ドル(約17万6000円)から(GPU、メモリ、ストレージ、OSなし)。

好きなところ:サイズ感、スタイル、ポートの種類と数、組み立て・分解のしやすさ、PC組み立てにつきもののはずの面倒くささなしでできるカスタマイズオプション。

好きじゃないところ:冷却ファンがうるさい、上位オプションにするとかなり高くなる。

性能よりも省消費電力優先

ぱっと見、PCIe x16スロットでつながっているので、NUCのCPUカードはグラフィックカードに見えます。が、実はCPUは空冷カートリッジの中に組み込まれており、GPUはそのお隣に。レビュー端末はAsus RTX 2070 8GB Mini搭載でした。キットに組み込めるGPUは8インチ未満のものに限定されてしまいますが、これはパフォーマンスを制限することで便利さや機動性を優先したということです。

パフォーマンスとのバランスはCPUも同じ。Intel Core i9-9980HKのラップトップ用CPUが搭載されていますが、このCPU、消費電力45Wと省エネなのです。デスクトップ用CPUのi9-9900Kの電力が95Wなことを考えると、これはかなりの節約。Intelのデスクトップ用ハイエンドプロセッサはオーバークロックで200W消費というものもありますが、495W供給の電源ユニット搭載のの超小型PCキットには分不相応。i9-9980HKくらいが適切なのです。

ライバル機に比べてコスパがよい

グラフィックカードなしで、NUC 9 Extreme Kitは1,640ドル(約17万6000円)。お得です。もちろん、容量やメモリ、GPU、OS次第では優に2,000ドル(約21万5000円)を超えてきますけど。価格やスペックを踏まえて、NUC 9 Extreme Kitの真っ向からの対抗馬となるのは、Asus ROG Huracan G21やMSI Trident X

とはいえ、ROG Huracanは電源ユニットの代わりに不恰好な電源アダプタになっちゃってるし、i9プロセッサ&RTX 2070のTrident Xを2,000ドル以下で見つけるのも無理なので、NUC 9がちょっとリードしているようにも思います。レビュー端末にあったのと同じGPUなら415ドル(約4万5000円)ほど、節約するなら300ドル(約3万2000円)程度でRTX 2060 Super mini(パフォーマンスはほぼ同等、低消費電力、安い)という選択肢もあり。

オーバークロックのやりすぎに注意

Core i9-9980HK内部はオーバークロック可能(最大5.0GHz)ですが、やりすぎは禁物。NUCにあるのは空冷システムだけなので、ゲームをしているとCPU・GPUは簡単にオーバーヒートしてしまいます。NUC 9は馬力があるほうなので、その分空冷システムの音はうるさくなります。ヘッドフォンしてゲームしてれば、それも関係ないかもしれませんけどね。

ゲームは何プレイしても問題なし。『Far Cry5』を4Kでプレイしたら46 fpsまで落ちましたけど、まぁそれくらいでした。フレームレート、グラフィック、画質で最もパフォーマンスを発揮するベストな状態は1,440p。『Far Cry5』と『シャドウ オブ ザ トゥームレイダー』をテストプレイしましたが、どちらも存分に楽しめました。空冷ファンがNUC Kitが飛んでいくのでは? ってほど激しく回ってはいましたが、オーバーヒートしたような熱気を感じることもなく。熱を外に逃がすよう、ファンがうまく作動していました。

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上:コンピュータユニットとフラフィックカードを上から見た画。下:上部フタの裏側。
Photo: Joanna Nelius (Gizmodo)

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後側を横向きに見た画、PSU(電源ユニット)のON/OFFスイッチがない。
Photo: Joanna Nelius (Gizmodo)

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左側(パネルを外した状態)。
Photo: Joanna Nelius (Gizmodo)

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右側(パネルを外した状態)。
Photo: Joanna Nelius (Gizmodo)

SSDの容量がちょっと…

不満を挙げろと言われたら、レビュー端末のSSD容量が小さかったことでしょうか。380GBは、特にゲーマーやクリエイターだと足りないかも。Intel Optane 905p 380GBは、500ドル(約5万4000円)ほどする高価なストレージです。これがNUC Kitに搭載されているのはかなりお買い得で気前がいい。ただ、昨今のゲームは、50GB、85GB、中には100GBのスペースを食うものもあるので、やはりもうちょっとほしいところ。

オプションとして2TBのHDDもあるのですが、動画のレンダリングや3Dコンテンツ制作に使用するならスピーディな読み書きが必要なので、すぐ容量が足りなくなるだけでなく、HDDではスピードに限界を感じると思います。ただ、M.2 SSDスロットがあるので、自分でストレージ持ってこれるという利点もあるのですが。

超小型の自作PCキットのよさを堪能できるNUC 9 Extreme Kit。時間と労力のかかるゼロからの自作よりも、簡単お手軽にカスタマイズができる。自分に必要なパーツを選んで、(私の場合は)ゲームパフォーマンスをアップできる。キットのケースのデザインが気に入らなければ、コンピュータユニットだけ買って、ケースは自分の好きなやつを別で探すって手もあります。

まとめ

・USBポートは8つ:USB 3.1第2世代が6つ、Thunderbolt 3のUSB-Cが2つ。

・SDXCカードスロット、3.5ミリヘッドフォンジャックあり。

・総体積はたったの5リットル。

・RGB端子不要を体現する端末。

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