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スマートウォッチ「Suunto 7」レビュー:フィットネス向けWear OSとして現在のベスト - GIZMODO JAPAN

大きいのもいいよね!

スマートフォン市場がiOS対Androidのシンプルな二強体制になっているのに比べて、スマートウォッチ市場は複雑な構図になっています。Apple Watchに対しGoogle(グーグル)のWear OS陣営で固まるのかと思いきや、これまでのところWear OSは苦戦、独自OSのスマートウォッチも健闘しているんですね。まだまだ戦国時代です。

でも、ついに使えるWear OSのスマートウォッチが登場してきましたよ。米GizmodoのVictoria Songが、Suunto(スント)の「Suunto 7」をレビューしています。

Suunto 7

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これは何?:Suunto初のWear OS搭載スマートウォッチ

価格:500ドル( 日本市場価格6万4900円 )

好きなところ:非常に精度の高い測定性能。ゴツいフィットネスウォッチには見えない。オフラインマップをダウンロード可能。70以上のアクティビティをトラッキング。ヒートマップにまで対応!

好きじゃないところ:人によっては大きすぎるサイズが気になるかも。高額。

Suunto 7は、とにかくデカいスマートウォッチです。それは決してスマートウォッチでプラスには働きませんけど。

でも、これまで評判が悪かったWear OSの世界では、また違った評価となるやもしれません。Wear OSは、Suunto 7を使ってみると「そんなに悪くはないかな」って思えるようになりますよ。

本格フィットネス・ウォッチでありながらWear OSの自由さもある

Suunto 7をほかのスマートウォッチと異なるものにしているのは何でしょうか?

ハイエンドなテック向けの機能を求めるユーザーにとっては、それほど優れたところはないでしょう。Suunto 7でなくとも、Wear OSを搭載するスマートウォッチであれば、NFC決済、アプリからのスマートな通知、AMOLEDタッチスクリーン、Google Assistantなどを、たいていは利用できます。GPSを内蔵し、継続的に心拍数をチェックしながら、基本的なアクティビティをトラッキングすることもできます。

とはいえ、Suunto 7はカジュアルなスマートウォッチではありません。もしSuuntoの社名を耳にしたことがある人であれば、Suunto 7が本格的なフィットネス・ウォッチであることがすぐにわかるでしょう。それだけでも、ほかのカジュアルなスマートウォッチを目指してきたWear OS搭載デバイスと異なることに気づけるはずです。

ハイエンドなフィットネスウォッチというと、Garmin(ガーミン)Polar(ポラール)など、有名ブランドから出されているものばかりです。とはいえ、こうしたフィットネスウォッチは独自のOSを採用しており、サードパーティ製のアプリなどはほとんど使えません。

そうしたアプリに興味がない人からすれば、それはたいしたデメリットではないのかもしれませんけど、まるで1980年代のゴツい腕時計かと思わせるようなデザインではなく、豊富なアプリストアから好きなアプリを選んで使える、それでいて本格的なフィットネスウォッチを使いたいというユーザー層は、実はかなり存在するんですよね。

これまで、カシオWear OSを搭載するスマートウォッチなどをレビューしたりもしてきましたが、私はあまりよいとは思えませんでした。Suunto 7は、Wear OSでこれまでにない出来栄えに仕上がっています。

Suunto 7は、Qualcomm(クアルコム)のSnapdragon Wear 3100チップ1GBのRAMを組み合わせ、すばらしいパフォーマンスを生み出しています。もしRAMが512MBなら、かなり動作がモタついてしまうでしょうね。

ただ、この組み合わせのWear OSを搭載したスマートウォッチは、ほかにも存在しています。Suunto 7が優れているのは、GPSトラッキングおよびオフラインマップを、うまく融合させてきたところにあるでしょうか。また、各種測定センサの精度は、ほかのWear OSデバイスよりも、格段に高まっています。

スゴイ デカイ でも軽い

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Photo: Victoria Song(Gizmodo US)

Suunto 7で気に入らないことを挙げるとすれば、まるで腕にお皿でも載せているんですかって気分になってしまうことでしょう。

ほとんどのスマートウォッチは、40~44mm幅のボディに、18~22mm幅のストラップというサイズに収まっています。ところが、Suunto 7は、50mm幅のボディに、24mm幅のストラップという組み合わせなんですよね。それが気にならない人だっているでしょう。でも女性の細い腕には厳しいでしょうか。

これまで多くの女性ユーザーは、スマートウォッチのレビューのとき、ジャケットや長袖のシャツを着ると、大きいディスプレイはかさばって困ると反応してきました。おまけに、サイズが大きいということは、重いということも意味しています。こういうスマートウォッチだと、運動中に邪魔になってしまうレベルですし、まるでLG Watch Sportのように、使いにくいったらありゃしません。

ところが、意外にも、Suunto 7は軽いんです! もしビッグなディスプレイサイズが気に入らないというのであれば仕方ありませんが、Suunto 7は、1日ずっと装着していても快適な重さでした。

その秘密として、Suunto 7のボディは、メタル製ではなく、ガラス繊維強化ポリアミドでできています。高級仕様のプラスチックボディという感じで、Fossil Sportのナイロンボディのようなチープさはありません。

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Photo: Victoria Song(Gizmodo US)

少し年を取ったのでしょうか? これまで何年も、コンピュータ画面ばかり見て仕事をしてきたからか、視力が落ちてしまったようです。ところが、Suunto 7は、大きなディスプレイサイズなので、とっても視認性がよいんですよね。ベゼルは目立ちますけど、通知メッセージなどは、ほかの多くのスマートウォッチより、非常に確認しやすいものでした。

Suunto 7には、多彩なカラーのモデルがそろっています。今回レビューで使用したのは、サンドストーン・ローズゴールドモデルで、とてもきれいに感じました。どう見てもフィットネスウォッチというデザインではなく、ややサイズは大きめですけど、ちょっとしたフォーマルなイベントにでもはめて行けそうです。もちろん、もっと明らかにスポーツ狂ですとか、逆にまじめなタイプですという場合でも、いろいろなカラーのオプションから選べるようになっていますよ。

フィットネス機能はバツグンの精度

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Photo: Victoria Song(Gizmodo US)

デザインやスタイルについては、このあたりまでにしておきましょう。Suunto 7の優れているのは、フィットネストラッキング性能の高さです。

カシオのPro TrekもGPS性能が優れていると謳っていたものの、GPSシグナルの受信につまずくことが多々ありました。GPS受信環境が悪すぎるニューヨークシティでの話なので、それも仕方なかったのかもしれませんが、Suunto 7では、まったく問題ありませんでしたね。

おまけに、Suuntoのアプリおよび文字盤デザインとして、ヒートマップ機能が利用できてしまいます。ほかのユーザーが、どこでランニングやウォーキング、サイクリングなどをしているのか、アウトドアアクティビティに応じて、一目瞭然でチェック可能。どの場所で運動ができるのか、悩みがちな人にとっては、よきアドバイザーとなってくれそうです。

さらに、Wi-Fi環境ならオフラインマップをダウンロードできるようになっています。主にアウトドアでのアクティビティ向けではありますけど、70以上トラッキングセンサには、インドア向けのものも用意されていますね。

Suunto 7には、Google Fitに代わる、独自のフィットネスアプリが搭載されています。最大限に活用するには、スマートフォンにもアプリをダウンロードしておくことが求められますけど。

GarminやPolarのアプリと比べると、Suuntoのアプリはそれほど測定機能が多くはないものの、Google Fitよりかなり詳細な分析が進められます。運動時間、距離、平均ペース、カロリー消費量、平均および最高心拍数などの、一般的な測定値に加えて、通常値への復帰時間予測、トレーニング量、歩調、運動後過剰酸素消費量(EPOC)など、高度な測定値が出されます。高度に合わせて、上りと下りの時間なども出るので、ハイキングやトレッキングにも最適でしょう。

テスト走行時に、スマートフォンでは、5.16マイルの距離を、10分10秒の平均ペースで走ったと表示されました。一方、Suunto 7では、5.24マイルの距離を、10分4秒の平均ペースと表示されました。これはかなり正確です。

全体の距離では測定に誤差が出なくても、平均ラップ精度の高さが知れたりすることがあります。Suunto 7だと、スマートフォンよりも10秒近く平均ラップが速く表示される傾向にありました。これはフィットネストラッキングにおいて、より重要視される精度の高さでもあり、3マイルの短めの距離だと、実際は10分4秒の平均ラップで走りますけど、Suunto 7の測定値は、3.05マイルを10分2秒の平均ペースで走ったと表示されましたね。

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Photo: Victoria Song(Gizmodo US)

Suunto 7の心拍数センサは、ほかのどの腕にはめるトラッキングデバイスよりも正確です。

同時にApple Watch Series 5Polar H10のチェストストラップでも計測してみましたが、ほぼ同じ精度になりました。Apple Watch Series 5の計測値は、やや低く出てしまう傾向がありましたが、それほど気にならない誤差のレベルです。

Suunto 7の測定値は、今回もっとも優れてはいましたけど、よほどのプロフェッショナルなアスリートでもなければ、その違いは気にならない程度のものでした。

フィットネス重視ならベストの選択肢になりうる

Suunto 7は、バッテリー寿命という意味では、ほかの多くのWear OSを搭載するスマートウォッチと同レベルです。フル充電から丸2日間は使えるようになっており、GPSをオンにすると、12時間の連続使用が可能となっています。

もしGPS測定を常に必要とするようなアクティビティを続ければ、1日使えるとよいレベルになります。たとえば、GPSで測定しながら、52分間のランニングをすると、バッテリーが25%なくなっていました。でも、GPS測定が終われば、その日ずっと最後まで使い続けることができました。

半透過型液晶ディスプレイを備えるスマートウォッチや、Fitbit Versa 2などと比べると、それほどバッテリーの持ちはよくありませんが、スタンダードなバッテリー寿命と考えることができるでしょう。

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Photo: Victoria Song(Gizmodo US)

では、Wear OSを搭載するスマートウォッチとして、Suunto 7は、大きく業界の勢力図を塗り替える存在になれるでしょうか?

残念ながら、そこまでではないでしょう。500ドル ( 日本市場価格は6万4900円 ) という価格帯は、よりハイエンドなアウトドアでの測定機能を求めるGarminのスマートウォッチと、あまり変わりません。

Apple Watch Series 5と比べると、より高度なトラッキング性能を備えるSuunto 7ではありますが、LTE通信機能やECG(心電図)機能など、Apple Watchのほうが勝る分野もあります。すべて同じ価格帯での比較となっているのですよね。

Androidユーザーの目線で見れば、Samsungがもう少し安いGalaxy WatchやGalaxy Watch Active2などで、なかなかの性能のスマートウォッチを発売中です。

とはいえ、フィットネス性能を重視するユーザーにとっては、Suunto 7は、現時点ではベストな選択肢となり得る製品であり、高機能高精度というアピールポイントがあるでしょう。ただし、睡眠トラッカーとしては、標準でアプリが備わっておらず、バッテリー寿命やサイズのことを考えると、あまり望ましいモデルではないでしょうね。

もし、GarminやPolarのスマートウォッチに代わる製品を求めているなら、Suunto 7は、とてもよい選択肢となるでしょう。完璧ではないものの、しばらく実際に使ってみたWear OSを搭載するスマートウォッチのなかで、個人的にはベストな出来栄えだったと感じています。

まとめ

GPSを搭載するフィットネスウォッチ高機能なものを求めるユーザーに最適なモデルです。

測定精度が高く、ヒートマップオフラインマップ機能を備えています。

・QualcommのSnapdragon Wear 3100チップ1GBのRAMを組み合わせ、Wear OSを搭載するスマートウォッチがサクサクと動きます。

500ドルという価格は高いものの、GarminやPolarのフィットネスウォッチと同価格帯になります。

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