位置情報を活用するスマートフォンゲーム「Ingress」「ポケモンGO」などを運営する米Nianticは3月30日(米国時間)、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な広がりを受け、「自宅からもゲームを楽しめる環境を整える」として開発ロードマップの一部を公表した。ポケモンGOはレイドバトルに自宅から参加できるようになる。
Nianticは位置情報と実際の地図を利用した「リアルワールドゲーム」を得意としているが、新型コロナウイルスの感染拡大により、世界各地で外出禁止令や都市の封鎖が行われ、屋外でのプレイは大きな制約を受けている。ポケモンGOでは本来は3kmを歩かなければ参加権を得られなかったオンライン対戦「GOバトルリーグ」の条件をなくし、いつでも参加できるようにするなど宅内でのプレイ環境を整えてきたが、今回はさらに踏み込み、屋内でのプレイを前提としたイベントなども検討する。具体的には以下の4点を挙げた。
1)ゲームを起動していなくてもタマゴのふ化距離がかせげる「いつでも冒険モード」は、屋内での動きなども反映されるように改善。屋内で運動するとゲームが進行する(実装済み)
2) ゲーム内のソーシャル機能を強化。自宅にいながら、他のプレイヤーとレイドバトルに参加できるような仕組みを検討中
3)お気に入りスポットをバーチャルで訪れ、友達や家族とその場所の思い出を共有できる機能を検討中
4)「Pokemon GO Fest」(夏に行っていた大規模リアルイベント)の盛り上がりを自宅に届ける「全く新しいPokemon GO Fest」
Nianticでは、「外出してプレイしたときに感じたワクワク感を、屋内でのプレイにも取り入れていく、そんな革新的なゲーム体験を創造していきたい」としている。
また、Ingressでは複数のポータルに訪れる必要性を減らすため、バーンアウト(ポータルを規定回数以上ハックしてポータルが燃え尽きた状態)までの回数を増やすと共に、クールダウンの時間を短縮するなどの調整を加えた。「ハリー・ポター:魔法同盟」では、プレイヤーがポーションを入手しやすく、ファウンダブル(魔法界から流れてきたもの)を見つけやすくするなどの変更を行っている。
Nianticが本拠を置く米国カリフォルニア州サンフランシスコでも、3月中旬に不要不急な外出を禁じる公衆衛生命令が出た。期間は4月7日までだが、市当局は必要に応じて延長する可能性もあるとしている。Nianticの発表は、新型コロナウイルスの影響が長期化することも視野に入れた内容といえそうだ。
「自分や他の人々を危険にさらすことなく、公園や公共の施設で家族や友達と遊べる、そんな日が戻る時を楽しみにしている。世界がその準備ができたときに向け、われわれも準備しておく」(Niantic)
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