2018年10月、フィンランドの夜空にかかる奇妙なオーロラが、アマチュア天文家のマティ・へリン氏により撮影されました。
これまでに見たことのないオーロラだったこともあり、へリン氏は、ヘルシンキ大学の天体物理学者ミンナ・パルムロス教授に画像データを送り、説明を求めました。
パルムロス教授と研究チームが調べた結果、なんとまったく新しいタイプのオーロラであることが判明。
オーロラは、まるで砂丘の波紋が伸び広がるような様子から、「デューン(The dunes)」と命名されました。
では、このデューンと普通のオーロラとは何が違うのでしょうか。
研究の詳細は、1月28日付けで「AGU Advances」に掲載されています。
通常の「オーロラ」はどうやって起きる?
オーロラ発生の原因は、太陽風にあります。これは、太陽が宇宙空間に放出するプラズマの風です。
太陽風はものすごいスピードで移動し、2〜3日ほどで地球にぶつかります。この時、太陽風をブロックしてくれるのが、磁気圏という地球の壁です。
ところが、ブロックされた太陽風は、地球の夜側(太陽に向いていない側)に流れ、そこから磁気圏に侵入してきます。そして、地球最後の砦である大気層にぶつかり、太陽風のプラズマ・エネルギーが、大気中の酸素や窒素を励起(外から強いエネルギーを受けることで、高エネルギー状態になること)させます。
こうして発光する現象が、オーロラです。
発生場所は、一般的には高度80km〜500kmの超高層大気である電離層だといわれています。
「デューン」が特別な理由
それでは、普通のオーロラとデューンとでは、どこが違うのでしょうか。
パルムロス教授によると、それは「オーロラが伸び広がる向きにある」そうです。
上の画像を見れば分かるように、一般的なオーロラの波状は「垂直方向」にかかります。では、デューンの画像を見てみましょう。
これは、フィンランドの別々の2地点で撮影されたデューンです。
どちらもオーロラの波状が「水平方向」に伸びているのが分かります。教授によると、こうしたオーロラは観測前例がないとのことです。
「デューン」の仕組みを解明
デューンが水平方向に伸びる仕組みについて、研究チームは次のように説明します。
まず、デューンの発生地点は、画像データ分析により、高度100km付近であることが特定されています。
そして、この高度まで上昇した大気重力波が、温度の低い2つの大気層ー高度80kmの反転層(inversion layer)と高度100kmの中間圏界面(Mesopause)ーの間に挟まれます。
すると、酸素や窒素を含む大気の波は、狭い領域内を横方向、つまり水平方向に伝播します。この領域内に太陽風のプラズマが衝突することで、デューンのようなオーロラが出来上がったというわけです。
動画のように、大気重力波は水平方向に拡散することが知られています。
この拡散する大気重力に高エネルギーの太陽風が命中した結果、水平方向のオーロラができたのではないかと、研究チームは考えています。
明快な説明ですが、その一方でパルムロス教授は「これも仮説にすぎない」と話します。
というのも、高度80km〜100kmというこの領域は、気球レーダーで観測するには高すぎ、宇宙船を送るには低すぎるのです。そのため、知られている情報も少なく、大気重力波がどのような動きをするのかもよく分かりません。
研究チームは、今後、デューンのデータを手がかりに、この謎に満ちた領域について解明していく予定とのことです。
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February 01, 2020 at 10:03AM
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