「全然ちゃうやん!」の想定外から見えてきたもの
──リュウグウに到着した際、「リュウグウが牙をむいてきた」と表現していましたね。当初想定していたリュウグウと実際のリュウグウはどの程度開きがあったのですか?
津田雄一プロジェクトマネージャ(以下、津田):「全然ちゃうやん!」という印象でした。
リュウグウの形状の推定はずっと難しい、難しいと言われていたんです。事前に「自転軸は横倒しのはずだ」「ジャガイモのような形状のようだ」などと予想されていましたが、近づいてみると、小惑星研究者の間ではよく知られたソロバン玉型だったので、不思議な感覚でした。
科学者も「あれ、ソロバン玉じゃん」と最初は少し戸惑っていましたね。はじめに推定されていた形の中に1つでもソロバン玉型があれば「おおーっ」と思ったでしょうが、まったく想定されていなかったのは、やはり難しかったんだろうなと思います。
実は、NASAの小惑星探査機「オサイリス・レックス」が探査しようとしている小惑星「ベンヌ」もソロバン玉型なんです。
よくよく考えてみると、こんな典型的な天体を初めて、しかも2天体同時に探査ができる。「これはすごい科学ができる!」と盛り上がりました。リュウグウとベンヌは同じソロバン玉型ですが、よく見ると表面の状態が違います。似ていて比較しやすく、かつ違いがあるというのは、科学的に最も面白いパターンです。
「何なのか全然説明できない」深まったリュウグウの謎
── 1年5カ月の間に、さまざまな探査が行われました。実際に探査を行ってみて、どういった成果が得られそうなのでしょうか?
津田:今回の探査では、なんといっても衝突装置(SCI)運用によるクレーター生成の結果が重要です。科学的考察やそこから得られた発見についてはまだ公表されていませんが、今後、確実に成果が出てくるところです。
着陸やクレーターを作った際に小惑星の表面に紙吹雪のような岩の破片がパーッと出てきたのは、僕らにとってもすごく意外でした。誰も予想していなかったし、何なのか全然説明できません。サイエンスチームには、もう解明に取り組んでいる人たちがいるので、そこから小惑星表面の状態についての理解が深まると良いなと思います。
その意味でも、リュウグウに2回着陸できたことは大きかった。2回以上の観測によって初めて、リュウグウ全体の一般的な情報を見ているのか、その着陸した地点の固有の情報なのかを識別できます。
【関連記事】
科学&テクノロジー - 最新 - Google ニュース
December 30, 2019 at 10:10AM
https://ift.tt/2Q9vCEC
“はやぶさ2”の旅が「帰り道も気が抜けない」理由。2020年に地球帰還、新ミッションの可能性【帰還編】(BUSINESS INSIDER JAPAN) - Yahoo!ニュース
科学&テクノロジー - 最新 - Google ニュース
https://ift.tt/2Fxmm8b
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update
Bagikan Berita Ini
0 Response to "“はやぶさ2”の旅が「帰り道も気が抜けない」理由。2020年に地球帰還、新ミッションの可能性【帰還編】(BUSINESS INSIDER JAPAN) - Yahoo!ニュース"
Post a Comment