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リトアニアのユニコーンが手がけるのは安全・高速・安価なVPN Nord Securityが日本市場にかける期待 - TECHBLITZ

高速接続を可能にし、安全性も担保するVPNなどを開発するNord Security(本社:リトアニア・ビリニュス)。リトアニアで2番目のユニコーン企業に選出されたことでも知られ、中核サービスの「NordVPN」は世界中のユーザーが毎日アクセスしている。日本にもすでに進出しており、「今後はBtoB市場を深耕したい」と語る共同創業者のJonas Karklys氏に話を聞いた。

目次
Nord Securityが開発する3つのサービス
「ユニコーン」になったワケ
日本のBtoB市場を深耕したい

Nord Securityが開発する3つのサービス

―Nord Securityは、サイバーセキュリティ上のどのような問題を解決しようとしているのでしょうか。

 Nord Securityは、一般消費者と企業に向けた以下3つのサービスを開発しています。1つ目はNordVPN。国境をまたいでインターネットに接続できる、秘匿性が担保される、DDos攻撃(分散型サービス妨害攻撃)から身を守れる、などのメリットがあるVPNは一般ユーザーと企業にとって重要なインフラになっていますが、無料のVPNサービスは接続速度・安全性ともにクオリティが高くありません。

 特にセキュリティの面においては、データの追跡やウイルス保護などへの対策が追いついていないことも多く、安全なサービスとは言い切れないのです。NordVPNはこれらの課題を解決するサービスです。

 最大10台のデバイスから同時接続できる、月額約500円の一般ユーザー向けVPNサービスです。111カ国に設置された6,000代以上の超高速サーバーから最適な接続先をアプリ上で選択できるなど、接続速度が速いことのほかに、Windows・macOS・iOS・Androidなど各種OSに対応しています。また、インターネット検閲が厳格に課されている国においても、トラフィックの再ルーティングを隠すことができる「難読化サーバー」という技術を活用し、VPNに接続可能です。

 2つ目は企業向けのサイバーセキュリティサービスの「NordLayer」。NordVPNの企業向けソリューションで、中小企業がメインの顧客層です。中小企業といえど、現在は世界中に何百ものパスワードや決算情報を抱えていることが珍しくなくなりました。こうした環境下においては、クラウドやデバイスにネットワーク利用制限をかける必要が出てきているのです。NordLayerはこうした企業が管理すべきネットワーク制限をワンストップで確認・実行できるサービスです。

 3つ目はパスワードを一元管理する「NordPass」。先ほどもお話しした通り、現在の企業活動は世界中に従業員が散らばっていて、情報管理がますます難しくなっています。企業に関わらず、一般消費者も複数のデバイスに異なる重要なパスワードを必要とする情報をストレージしていることも珍しく無くなっており、安全性の問題が懸念されます。NordPassは企業・一般ユーザーに対して、決算情報や電子メール、各種SNSのパスワードをセキュアな場所に登録し、ワンクリックでログインを実現するサービスです。パソコンからはもちろん、スマホでもNordPassに登録されたパスワードでログインできますし、とても便利ですよ。

 実際、NordPassを利用した有名インフルエンサーの女性は、出張中のロンドンでパソコンの盗難被害に遭い、2時間後のライブ配信は中止する予定でした。ただ、彼女はNordPassに登録していたため、パソコンを借り、NordPassのアプリをダウンロードするだけで無事仕事ができたのです。

「ユニコーン」になったワケ

―2012年に創業したNord Securityはリトアニアで2番目のユニコーン企業に選出されるなど、急成長を遂げています。成長を示す数値を教えてください。

 具体的な数字はお伝えできませんが、毎年堅実に成長を続けている、とだけはお伝えしておきましょう。そもそも、2012年当時はVPNサービスにおいて、安定的な接続とセキュリティ上の安全性を担保できるまともなサービスは存在しなかったのです。私と共同創業者は、「高速接続と安全性が高いVPN」はブルーオーシャンだと判断し、Nord Securityを立ち上げた、という経緯があります。

 NordVPNが世界中で使用され、26カ国にオフィスを設置するまでの会社になりました。これまで約2億900万米ドルの資金を調達できたのも、シンプルにNordVPNを使用するユーザーが多いという事実を背景にしています。

Jonas Karklys

Co-Founder

Vilniaus UniversityでBusiness Administration and Managementの学位を取得後、2012年にインターネットセキュリティ企業のTesonetを共同創業。ウェブホスティングプロバイダーのHositnger Internationalの投資家を務める傍ら、2017年にNord Securityを共同創業。

―他のサイバーセキュリティ企業とは、どのような点で差別化を図っているのでしょうか。

 月並みですが、ユーザー体験と、価格設定だと自負しています。サイバーセキュリティ企業は意外にもレガシー産業という側面が強く、現在のユーザーの事情に合わせた「痒い所に手がとどく」サービスを提供できる企業は実はそう多くはありません。

 特にVPNというニッチ市場からビジネスを始めたわれわれにとっては、ユーザーの真のニーズをつかむことは大得意で、ユーザーの困りごとを解決する機能を定期的に付与し、サービスを磨き上げています。NordVPNでのMeshnet(ファイル共有を容易にする仮想LAN環境、遠くに離れたゲーマーともLANパーティーゲームをできるなどのメリットがある)、NordPassの特許取得技術を応用したワンタイムパスワードなどはその典型です。

 価格設定に関しても同様で、レガシー産業が打ち出すサービスは値段もそう安くはありません。一方、当社は主力3サービスともにサブスクリプション型で、無料体験も充実しているほか、年額払いで大幅に価格を下げる取り組みも実践しています。

image: Nord Security

日本のBtoB市場を深耕したい

―Nord Securityはすでに日本に進出していますが、日本のマーケットをどのように分析していますか。

 われわれはNordVPNを日本で展開しており、ユーザーからの高評価も得ています。日本のサイバーセキュリティ空間のマクロ分析をすることは難しいですが、日本市場は素晴らしいマーケットだとは明言しておきましょう。企業数も豊富で、IT産業も盛ん。一般消費者のネット利用率は、特にコロナ禍で急増しました。実際、NordVPNの利用状況も、2020年以降に拡大の一途を辿っています。

 今後は、BtoBサービスであるNordLayerとNordPassも本格的に投入していく考えです。

image: Nord Security

―日本の大企業と協業すると考えた時、どのような業界・業態の企業との連携を望みますか。

 すでに多くのユーザーを抱えている地元の通信事業者との協業は魅力的です。また、再販業者やサービスプロバイダーと顧客が連携し、彼らが我々のサービスを販売する、というような方法も考えられるでしょう。

 また、すでにNord Securityは日本にもオフィスを設置していることを考えると、広告会社と協業することも魅力的だと考えています。我々のサービスの使いやすさや安さ、操作の簡単さなど、アピールしたいことはたくさんあります。

―それらの企業と協業する際、どのような形態のパートナーシップが理想的だと考えていますか。

 形態そのものにこだわりはありません。ただ、今後は日本でNordLayerとNordPassを本格的に投入したい考えです。特に日本企業のサイバーセキュリティ空間の課題や世界との違い、どのようなサービスがシェアを獲得しているのか、などを熟知したローカルパートナーとの連携を望んでいます。

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