電気自動車(EV)メーカーの米 テスラは23日、買い求めやすいモデルの投入を急ぐ方針を明らかにした。1-3月(第1四半期)の業績が再び市場予想を下回ったことから、低迷する需要のてこ入れを目指す。
テスラは今年末か来年の早い時期までに、より安価なモデルを投入する計画で、以前に表明していた2025年後半からはかなりの前倒しとなる。
イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)はアナリスト向け電話会見で、「以前に言及していた25年後半の生産開始よりも早く、新モデル投入を前倒しするため、将来の車両ラインアップを更新した。そのため、今年終盤とまではいかなくても、25年の早い時期になると予想している」と語った。
EV需要は世界的に鈍化し、他の自動車メーカーが電動化計画の見直しを余儀なくされているが、マスク氏は低価格モデル投入による需要喚起に賭けている。また、自律走行の「ロボタクシー」や配車サービス、人型ロボットといった同氏の遠大な構想の実現に向けて取り組む中で、低価格車投入は経営の下支えにもつながる。
ディープウォーター・アセット・マネジメントのマネジングパートナー、ジーン・マンスター氏は、「重要なのは、来年成長が再加速するという希望の光を投資家が目にすることだ。マスク氏は信奉者たちに、諦めずにいるための十分なものを与えた」と語った。
より安価なモデルの投入前倒し決定を明らかにしたことは投資家に歓迎され、株価はニューヨーク時間23日遅くに一時13%の大幅高を演じた。
テスラの経営戦略には今年の大部分にわたり、混乱が見られていた。販売台数てこ入れを目指してここ1年に値下げを進めてきたが、製品需要は鈍化。マスク氏がロボタクシー構想を追求し、価格を2万5000ドル(約387万円)に抑えた低価格車計画を中止したと投資家は懸念していた。
そうした中でテスラが23日に投入前倒しを表明した「より手頃な価格のモデル」が、長年議論されてきた低価格車を指しているのか、既存の「モデル3」や「モデルY」のコスト削減の取り組みに言及したものなのかは、現時点では不明。低価格モデルの詳細について質問されたマスク氏は、「その点については、もうすべて話したと思う」と答えた。
会見に先立ちテスラが発表した1-3月期決算では、利益と売上高、利益率がウォール街の予想に届かなかった。同社は年内の緩慢な成長見通しも示した。
発表資料によると、1-3月の調整後1株利益は45セントで、ウォール街の予想の52セントを下回った。売上高は9%減の213億ドルで、アナリスト予想の223億ドルには届かなかった。
テスラは納車のペースが昨年を下回る可能性があるとし、短期的な成長期待を抑えた。「24年にテスラの車両台数の伸びは23年に達成した成長率を著しく下回る可能性がある。当社のチームは次世代車両とその他製品のローンチに取り組んでいる」と説明した。
同社は米国のEV市場では引き続き優位にあるが、利益は数四半期にわたり圧迫されている。収益性の重要指標である自動車事業の粗利益率は1-3月期に16.4%となり、市場予想の17.6%を下回った。22年初めに報告した30%のピークにはほど遠い。
一方、テスラの車両在庫は世界全体で28日分と、前四半期末の15日分から大幅に増加した。バイブハブ・タネジャ最高財務責任者(CFO)は電話会見で、在庫の増加は一時的な後退だとし、「4-6月(第2四半期)には在庫積み上がりが反転し、フリーキャッシュフローはプラス圏に転じると予想している」と述べた。
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原題: Tesla Speeds Plan for Cheaper Cars, Calming Fears Over Strategy 、 Tesla Aims to Release Cheaper Cars by 2025 After Sales Miss (4)(抜粋)
(マスクCEOの見解などを追加し、株価を更新します)
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