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「京都版シリコンバレー」の足がかりへ、住友不動産が起業家支援の新オフィス - ITmedia NEWS

産経新聞

 京都・四条河原町にある商業施設「京都河原町ガーデン」に4月1日、起業家らを支援するインキュベーションオフィスがオープンする。安価な賃料でオフィスが利用できるほか、「学生の街」京都の特性を生かしたサービスも展開。企業誘致や人材確保を支援しながら、若者の流出という京都市特有の課題にも挑む。

 オフィスは住友不動産が手がける「GROWTH(グロース)京都河原町」。京都河原町ガーデン8階の一角の約160平方mを整備し、36席を設ける。

 スタートアップ企業を中心に初期費用を抑えたサービスを提供してきたGROWTH。これまでは東京都内だけで展開しており、同日にオープンする大阪市の拠点とともに、関西への進出は今回が初めてとなる。京都では戦後、京セラ(伏見区)やローム(右京区)をはじめとした世界的なものづくり企業が次々と誕生した土壌があり、近年は大学発のスタートアップ企業にも注目が集まっている。

photo 4月1日にオープンする「GROWTH京都河原町」(住友不動産提供)

 住友不動産はこのほか市民の約1割を学生が占め、若い人材が多く集まる現状を重視。GROWTHシリーズでは初めて学生の利用を可能とした。イベントスペースとしても活用でき、スタートアップに関する内容であれば無料で利用できる。

 住友不動産関西支店の細川隆司支店長は25日にあった開所式で「世界に羽ばたくスタートアップを京都から発信していきたい」と力を込めた。

 一連の取り組みを京都市も注視している。市では多数の若者が学生生活を送る一方、卒業や就職のタイミングで首都圏や大阪へ流出することが課題に。市は若年層の流出を食い止めようと、市内への企業誘致などを進め、「働く場」の確保を進めている。

 開所式には2月の市長選で「京都を日本のシリコンバレーにする」と掲げた松井孝治市長も出席。学生が市を離れていく現状を説明した上で「施設や市の政策をフル活用してもらい、世界発のベンチャーが京都へ進出していける拠点にしていきたい」と話した。(堀口明里)

photo 開所式に出席した京都市の松井孝治市長(右)。住友不動産とともに起業家らを支援する=25日、京都市下京区

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