Search

「H3」ロケット「推力不十分だったか、補助ロケットへの信号 ... - 読売新聞オンライン

 日本の新たな主力ロケット「H3」1号機は、17日午前10時37分頃に鹿児島県の種子島宇宙センターで打ち上げを予定していたが、打ち上げられなかった。第1段の主エンジンには着火したが、固体補助ロケットには着火しなかったという。宇宙航空研究開発機構( JAXAジャクサ )などが原因を調べている。原因によっては、打ち上げ計画が遅れる可能性もある。

 JAXAの岸晃孝報道・メディア課長は報道陣に対し、「状況はよくわからないが、(原因究明に)時間がかかる見込み。打ち上げてはいないので、失敗とは判断できない。今日はもう打ち上げる状況にはない」と語った。

 H3は現在の主力「H2A」の後継機との位置づけで、国産大型ロケットの更新は22年ぶり。低コスト化や打ち上げ能力の増強を図り、世界の衛星打ち上げ市場獲得を目標としていたが、出だしからつまずいた形だ。

 国産ロケットを巡っては、昨年10月の固体燃料ロケット「イプシロン」6号機が指令破壊され、打ち上げに失敗。H2Aは2003年に6号機の打ち上げで失敗している。

 固体補助ロケットは直径2・5メートル、全長15メートルで、打ち上げ時の推力を補う。第1段の側面に2本取り付けられており、主エンジンに着火して推力が十分になったことを確認した後、信号を受けて着火する仕組みになっている。

 三菱重工業の元技師長で、H3の開発に携わった小笠原 こう ・東京理科大教授は、「エンジンの推力が不十分だったか、固体補助ロケットへの信号の送信でトラブルがあったなどの可能性がある」と指摘する。

 H3は、JAXAと三菱重工などが14年から開発を進めてきた。1号機は全長57メートル、直径5・2メートル。これまでの開発費は約2060億円に上る。1号機には、災害時の被害状況把握などを行う政府の地球観測衛星「だいち3号」が搭載されていた。

 H3は、衛星を特定の軌道に投入する能力はH2Aの1・3倍で、様々な大きさの衛星に対応できる。9割の電子部品に安価な自動車用を採用したほか、点検を自動化するなどコストカットを進めた。JAXAなどは今後、H3の打ち上げ費用を、H2Aの半分となる約50億円に抑え、世界の衛星市場で競う計画だった。

 1号機の打ち上げは当初、20年度中を計画していた。だが、第1段の主エンジンにひびや異常な振動が見つかるなどして、2度にわたって延期。JAXAはエンジンの設計変更などを行い、問題点を解消。昨年11月の最終エンジン試験で良好な結果を得ていた。

Adblock test (Why?)



from "安価な" - Google ニュース https://ift.tt/tBM9FQd
via IFTTT

Bagikan Berita Ini

Related Posts :

0 Response to "「H3」ロケット「推力不十分だったか、補助ロケットへの信号 ... - 読売新聞オンライン"

Post a Comment

Powered by Blogger.