JA全農ふくれんは、福岡市と連携して、下水から回収した再生リンを肥料原料とした肥料を開発し、来月から販売を始める。肥料価格が高騰する中、循環型社会も見据えた取り組みで、一般の肥料より2割程度安価で販売するという。
再生リンを活用して開発された肥料
開発された肥料は、「e・green」シリーズの「8・8・8」「7・7・7」「14・5・5」の3種類。粒状タイプで、栽培する作物に応じて堆肥やチッソなどの割合が異なる。9月から福岡県内のJAを通して一袋20キロで販売を始める。
福岡市では、博多湾の環境保全のために同市道路下水道局和白水処理センターで下水の高度処理を行っており、その過程で回収しているリンを「再生リン」として肥料原料に活用した。JA全農ふくれんによると、肥料に使用する再生リンは、年間80トンまで調達することが可能で、5%含有の肥料の場合、8万袋分を製造することができるという。
JA全農ふくれんと福岡市は、今回の取り組みについて、市民生活で出る下水から回収した再生リンによるエコ肥料で農家が野菜をつくり、市民に提供することで、循環型社会の構築を目指したいとしている。
日本はリン安や塩化加里などの肥料原料を輸入に依存しているが、産出国の輸出規制やウクライナ紛争などで価格g高騰し、農家の経営を直撃している。JA全農ふくれんは、「みどりの食料システム戦略」の推進に向けて、再生リンとJAグループの堆肥を使用することで、環境負荷軽減に努め、豊かな食生活につなげたいと話している。
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