アップルが漫画家 萩尾望都のフルデジタル描き下ろし作品『ガリレオの宇宙』を公開しました。
フルカラー漫画『ガリレオの宇宙』はApp Store の「Today」タブで前後編が無償公開中。「Today」では作品のほか、萩尾先生が制作に使用した iPad や Adobe Fresco といったデバイスやアプリについて、そして創作のテーマについて語った舞台裏インタビューも公開しています。
萩尾望都といえば、2019年に画業50年を迎えたレジェンド中のレジェンド。代表作は40年ぶりの新作でも話題になった『ポーの一族』や『トーマの心臓』、『11人いる!』『百億の昼と千億の夜』(光瀬龍の原作小説漫画化)、『半神』、テレビドラマ化もされた『イグアナの娘』、『残酷な神が支配する』、日本SF大賞受賞作『バルバラ異界』、今年完結した史劇『王妃マルゴ』等々。
一時代を築いた漫画家でも代表作のあとは寡作になったり、リタイアして別の道を歩むことが多いなか、萩尾望都は1970年代から現在に至るまで、まるで生物系ラスボスのように進化し続け、多岐にわたる作品群で常に少女漫画の可能性を拓いてきた先駆者にして現役の最先端にいる作家です。作品は映画やドラマ化、舞台化も多数。2012年には紫綬褒章を受賞し、2019年には女性漫画家として初めて文化功労者に選ばれています。
『ガリレオの宇宙』はApp Storeの Today に掲載するため描き下ろした新作。iPadを使い、漫画一本を初めてフルデジタルで制作した作品です。
使用したのは iPad Pro、Adobe Fresco、Photoshop、クリエイティブカメラアプリのAdobe Captureなど。ガリレオ・ガリレイが検邪聖省への出頭を命じられた1633年に見たであろう星空を再体験してインスピレーションを得るため、天文アプリの Star Walk 2も使っています。
『ガリレオの宇宙』は、地動説を唱え異端として宗教裁判にかけられたガリレオ・ガリレイの生涯を主題とした作品。前後編の短編ですが、萩尾望都のフルカラー作品としては異例の分量でもあります。
萩尾望都といえばコマ割りや目線誘導の演出に秀でた作家でもありますが、『ガリレオの宇宙』はスマートフォンなど縦長の画面で、ページめくりではなく縦にスクロールすることを意識した、縦に進む絵巻とでもいうべき新鮮なスタイル。
Engadget ではこの機会に、萩尾先生に iPad での作画や画材としてのAdobeアプリ、デジタル時代の創作について、新作『ガリレオの宇宙』について、そして現在のコロナ下での生活についてお話を伺いました。インタビューの内容は追って別記事でお伝えします。
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August 07, 2020 at 04:59AM
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