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素組みでもけっこうリアルだぞ! バンダイ「ベストヒットクロニクル」サターン&プレステを作ってみた - Engadget日本版

ベストヒットクロニクル

▲ベストヒットクロニクル「2/5 “PlayStation”(SCPH-1000)」と「2/5 セガサターン(HST-3200)」

去る3月28日に発売された、BANDAI SPIRITSのプラモデル「BEST HIT CHRONICLE(ベストヒットクロニクル)」シリーズ第1弾「2/5 セガサターン(HST-3200)」「2/5 “PlayStation”(SCPH-1000)」(※以下「サターン」「プレステ」)。1994年冬に発売され、家庭用ゲーム機第5世代を牽引した“ツートップ”まさかの「プラモ化」に、アラフォー世代のゲーム愛好家諸氏はニヤリとしたことでしょう。

御多分に洩れず、今から26年前の1994年というと、筆者もまだ10代のケツの青いガキんちょで、サターンもPSも憧れのゲームハードでした。26年の時を超え、手のひらサイズのプラモになるなんて、夢のある話ですね。ゲームとホビーを愛する“小学30年生”の筆者は迷わず両方購入。折しもステイホームを叫ばれていた春の大型連休中に、「素組み」ですが、作ってみました。

まずサターンから

まずはセガサターン。1994年11月22日発売。折しも90年代中期は「バーチャファイター」などの“3D格ゲー”ブームで、ご多分に漏れず筆者もバーチャにハマり、毎週日曜日に家族とデパートへ行くと、親からお金を貰ってゲームコーナーで延々とバーチャを連コイン(積みコイン)していました……もう25年近く経ったので時効だと思いたいですが、この場を借りて懺悔いたします。

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▲箱を開けてみたところ

しかし、連コするくらいご執心だったバーチャでしたが、親に頼み込もうがそう簡単にウン万円もするゲームハードなど買ってもらえるはずがなく、ゲームコーナーで連コするためにもらったお金を1日100円ずつ貯金して、サターンを購入するつもりでしたが、結局1万円すら到達せずに“サターン貯金”は数年後に頓挫(というか自然消滅)。結局サターンは年に2回しか会わない従弟の家や友達の家などでプレイしたり、自分の中での3D格ゲーブームが鎮火したりで、そのうち「サターンが欲しかった」という気持ちすら失せていったのでした……。

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▲サターンの全パーツ(この他にマニュアルも)

身の上話はさておき、早速作っていきましょう。まずは本体上部のCDドア部分から作るのですが、もう、上半分しか作っていない段階でも、テンション爆上がりですね! リアル! カートリッジスロット部分は開いた状態と閉じた状態を選んで取り付けられるのですが、今回は閉じた状態にしました。

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▲本体上部

内部モジュール部分。ピックアップレンズも小さい透明のパーツで再現されています。電源基板などのパーツも非常にリアルですが、基盤部分は本体を組み立てると見えなくなってしまうのです。それでも、“目に見えないパーツ”をこんなにリアルに再現した、バンダイの心意気には涙を禁じ得ません。

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▲内部モジュール

次は本体下部です。内部基盤も無塗装・素組みですが「すげぇ、基盤だ!」と一目でキュンキュンしちゃいますね。

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▲単色だけど、一目で基盤とわかるディテール!

さて、ここで本体上部と内部モジュールと本体下部を合体! リアルな基盤部分が見られなくなるのは残念ですが、本体を完成させましょう。まだ本体のシールを全然貼っていませんが、この時点でも十分本物と見間違えそうな超リアルクオリティです!

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▲電源端子の下にある通信拡張端子とA/V出力端子はシール

本体を組み立てたら次はコントロールパッドです。リード線の長さは自由に切って設定できるのですが、マニュアルに「2分の5スケールは34cm」と書いてあれば、律儀に34cmに設定したくなるのが世の常……なのですが、マニュアルには14cm分の長さしか書かれておらず、チマチマと手で押さえながら測定。

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▲手が小さいので疲れた……

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▲シールを貼る前だけど、こうして見ると本物と見間違えちゃう

コントロールパッドが完成したら次はいよいよCDを本体にセットします。サターンは「サクラ大戦2」「ナイツ」「バーチャファイター」の3タイトルから選んでシールを貼るのですが、筆者はやはり“購入を断念した”バーチャにしました。このCDのシール貼りが意外に難しいので、ビタッとジャストな位置に合わせるのに苦労しました……。本体にセットしたCDは手で回すこともできます。

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▲25年来の悲願だったバーチャがこの手に!

あとは、本体などに残りのシールを貼って、完成! 所要時間は(撮影時間含めて)1時間半強、といった感じでしょうか。

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▲光の加減でちょっと“シール感”が出てしまいますが…合格点!

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▲後ろから

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▲裏から

20年以上前から憧れのハードだったサターンがついに我が家に! なかなか感慨深いものがありますね……プラモですが。結城晶も「10年(以上)おせーんだよー!」と叫びたくなることでしょう。

続いてプレステ

次はプレイステーション。1994年12月3日発売。発売当初はそれほど興味が湧かなかったのですが、「ファイナルファンタジー7」が発売されると知ると一転、迷うことなく1997年の年明け早々にお年玉で(弟と折半して)プレステ本体を購入し、FF7に備えていました。

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▲箱から出した

その時に一緒に購入したソフトは「アークザラッド2」で、「これぞ次世代機!」という超美麗グラフィックと、安藤まさひろさん(T-SQUARE)の音楽に当時小学生の筆者はハートを持っていかれました。時々ムービーがあったり、戦闘中キャラがしゃべったり、“初プレステ”だったアーク2は何から何まで宝石のようにキラキラして見えました。FF7の前にアーク2で十分元は取れていたと思います……が、またしても前置きが長くなったので、作り進めましょう。

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▲袋から出した

プレステもサターン同様、本体上部から順に組み立てますが、パーツの名前も(当然かもしれませんが)サターンとプレステで微妙に違うのが興味深いですね。

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▲本体上部

本体上部のこちらのパーツ、プレステではマニュアルに「ディスクホルダー(ふた)」という名称の記載でしたが、サターンでは同様のパーツに「CDドア」と表記してありました。

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▲ディスクホルダー(ふた)

プレステはサターンにあった「内部モジュール」がなく、上部の次に本体下部を組み立てます。ここで基盤やメモリーカード差込口&コントローラ端子、接続端子部などを取り付けます。

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▲本体下部

基盤はサターン同様、非常にリアルにできているので、サターン同様上下合体させるのが惜しいです。しかし、今回はちゃんと最後まで完成させることを目的とした記事なので、本体上部と下部を合わせます! そして外部拡張のカバーを取り付けます。ちなみに当然ながら外部端子はSCPH-1000の配置です。ただし、筆者の家にあったプレステは「SCPH-5500」以降だったので、このタイプは家になく、高校時代にインターネットで初めて存在を知った、というものでした。

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▲(筆者にとっては)見慣れない後ろ姿

……と、本体の組み立ての次はコントローラです。プレステは“コントローラ”ですが、前出のサターンは「コントロールパッド」でした。この辺も、メーカーの違いを見ることができて、立て続けに2台作りながら「面白いなぁ」としみじみ。

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▲コントローラのパーツ

リード線は20cmですが、なぜかプレステの方のマニュアルには21cmまで長さが書いてあったので、サターンよりもラクにリード線の取り付けができました。

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▲しかし手はつらい

メモリーカードも組み立てます。組み立てるといっても、パーツを切り離して合わせるだけです。メモリーカードの表面ラベルは自作してみるのもいいかもしれません。ちなみに筆者は当時、スクウェア(現スクウェア・エニックス)のRPGばかり入っているメモリーカードにマリオのステッカーを貼っていたり、絶対にソニーハードからはリリースされないであろうタイトル(例:F-ZERO、ポケモン)のステッカーを描いて貼ったりしていた、ヒネクレ者の中高生でした。

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▲メモカ

コントローラとメモリーカードを取り付けたら、続いて、ディスクトレイに「“プレイステーション”規格ディスクパーツ」を取り付けましょう。これもサターン同様、シール貼りが非常に難しい! 表面はサターンとは違い、「(c)2020 Sony Interactive Entertainment Inc,」のクレジット表記のみで、決まったソフトのシールが用意されているわけではありません。裏側はもちろん真っ黒です。

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▲ディスクのラベルも自作できないことはない!?

このプレステと黒いディスク、当時は様々な都市伝説的な噂があって、「ディスクの読み込みが悪くなるとプレステ本体を逆さまにすると読み込むようになる」「傷付いて読み込まなくなったディスクは冷凍庫で凍らせると読み込むようになる」「黒いディスクは一晩漂白剤につけると本来のCDのキラキラ感が戻る」……等々。(最後のは24年くらい前に某雑誌で見た危険なガセネタ)特に本体逆さまは今考えるとディスクに傷が付くから逆効果のような気もしましたが、インターネットが今ほど普及していない時代らしさのある“伝承”ですね。

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▲もちろんディスクは手で回せる

というわけで、プレステも最後にシールを貼って、完成! 所要時間は1時間半弱と、サターンよりパーツが少ない分、ちょっと短い時間で作れました。しかしこのプレステ、非常にリアルなのですが、何かか足りないのでは……と、ちょっとした違和感。

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▲サターンより“シール感”は払拭できているけども……

で、思い出した! 本体とコントローラに「SONY」ロゴがない! どこにもソニーのロゴがないんですね!

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▲裏側には製品名と「PLASTIC MODEL」の文字。SONYの文字はナシ

何とも言えませんが“大人の事情”なんでしょうなぁ……仕方のないことですが。でも、パッと見では気付きませんよね? 筆者は組み立ての段階では気付かず、記事を書いている時に気が付きました(笑)

サターン&プレステ、両雄並び立つ!

さてさてそれでは、サターンとプレステ、2台並べてみましょう!

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▲2つ並ぶと、より“本物”に近く!

サターンもプレステも、今でこそ中古で(ある程度)安く購入できるようになっていますが、当時はこの2台が揃っているのは、10代の少年少女にとってはあこがれでもありステータスでもありました。“The 金持ちの家”といった感じで! しかしながら、素組みでもこんなにリアルにできるとは……すごいなぁ。

プラモなのに「組み立てない」という選択肢

プラモデルというのは組み立ててナンボのモノだと思いますが、このプラモは、組み立てて隠れてしまう部分も非常にリアルなので、あえて組み立てずに基盤などの色を塗り分けて飾っておくのも良いかもしれません。実際、マニュアルには「ガンプラ」などのようにカラーガイドが載っており、塗装されたパーツの写真も掲載されています。

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▲サターンのマニュアル

ベストヒットクロニクル

▲プレステの本体下部基盤

ただし、リアルにできている分、基盤の塗装は気が遠くなりそうなほど細かい作業と思われるので、それなりの愛とモチベーションが必要ですよ!

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July 01, 2020 at 06:54AM
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