新型コロナウイルスの影響で困惑しているのは、東京五輪・パラリンピックが延期になった選手だけではない。選手の活躍を写真で切り取るデジタルカメラの新製品戦略にも狂いが生じているようだ。特集『日本企業、緊急事態宣言』#1では、キヤノン・ニコン・ソニーの三つどもえの戦いに焦点を当てる。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)
キヤノンとニコンの白黒戦争に
まだら模様のパンダ、ソニーが参戦
夏季五輪・パラリンピックのたびに本大会やプレイベントの撮影現場で繰り広げられ、「白黒戦争」や「白黒対決」と称されてきた大手カメラメーカー、ニコンとキヤノンのシェア争い。東京五輪では新興ソニーが本格参戦し、三つどもえの戦いの構図だ。ただ新型コロナウイルスの影響で2020年7月開幕予定だった東京五輪が延期となり、メーカーの戦略の練り直しは必至となっている。
報道カメラマンなどプロの写真家が使う最上位機能を備えたカメラは「フラッグシップモデル」と呼ばれ、各カメラメーカーの製品ピラミッドの頂点に位置する。
ベストショットを狙うプロの写真家の多くは、最新のフラッグシップモデルを携えて夏季五輪に臨む。そして撮影位置にいるカメラマンがどのメーカーのカメラを使用しているかが中継テレビで全世界に映し出されると、カメラメーカーのブランド力の向上につながるという仕掛けだ。当該の機器自体の宣伝効果はもちろんのこと、各ブランドの下位機種への波及効果も絶大である。
大手カメラメーカーのニコン、キヤノンは4年に1度の夏季五輪に合わせてフラッグシップモデルを発表し、競ってきた歴史がある。望遠レンズの外装が主にキヤノンは白色、ニコンは黒色であることから、付いた名が白黒戦争。文字通り、カメラマンの撮影位置のレンズを見れば、両社の勝敗(どちらのフラッグシップモデルが選ばれたか)の白黒がつくというわけだ。
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April 06, 2020 at 03:45AM
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