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アップルCMアーカイブサイト、DMCA申請により動画がほぼ全滅。「2分に700通の削除メールが来た」 - Engadget 日本版

Archive
昨年7月、1970年代からアップルが新製品やサービスと共に発表してきた数々の広告を収集した個人アーカイブが公開されたとお伝えしました。はじめはGoogleドライブでの暫定公開でしたが、今月半ばに「The Apple Archive」サイトとして正式に発足した次第です。

そこでは1万5000以上もの広告やその他の資料が大きな好評を呼んでいました。が、そのうち動画のほとんどはアップルによるDMCAテイクダウン(著作権侵害による削除申請)通告のため、サイト開設から2週間以内に削除されたことが明らかとなりました。グラフィックデザイナーでマーケティング専門家のSam Henri Gold氏は、1970年代から今日に至るまでのアップル広告をデジタル化してアーカイブ。テレビCMや印刷物、宣伝写真などありとあらゆる種類が含まれており、10年ごと/1年ごとにフォルダ分けされて整理されていました。

Gold氏がアップル広告アーカイブを始めたきっかけは、2017年にアップル関連の映像を集めたYouTubeチャンネル「Every Apple Video」の更新が停止したことでした。Gold氏は、アップルの歴史が失われないようにしたかったと語っています

The Apple Archiveが発足した当時から、Gold氏はアップルからのクレーム1つで台なしになる可能性は承知していました。が、本アーカイブの友好的で教育的な性格のためオンラインでも維持できると望んでいたわけです。

しかし、アップルの見方は違ったようです。海外テックメディアThe Vergeによると、Gold氏はアップルの弁護士から発信されたDMCA削除通知の大洪水を受けて、動画共有サイトVimeoにアップロードしたビデオの大部分がネットから削除されたと知らされたとのことです。「手首に700通もの電子メール通知を2分で受け取ったことがありますか? 手首は振動で麻痺しますよ」と恐怖の体験が語られています。


現時点でThe Apple Archiveに残っているのは、264本のビデオと印刷物のみです。米9to5Macが、同サイトの立ち上げ翌日に最も注目すべきビデオとして紹介した数本もすべて削除されたと伝えられています。

それでもGold氏は今なおコンテンツを追加しており「過去および現役のアップル従業員達は、私がやっていることに圧倒的な関心と支持を表明しています」と語っています。


さらにアップルとそのマーケティングチームと協力してアーカイブの公式バージョンを作成したいと付け加えました。 もし、アップルがチャンスを与えてくれるなら......とのことです。

アップルが自社の著作権を守ろうとするのは理解できるとしても、それならば公式の広告・CM動画アーカイブサイトは望まれるはず。Gold氏は「ニューヨークにいい著作権の弁護士はいませんか?」とつぶやいて同社からの法的措置に備えることも示唆していますが、アップルのファンも幻滅せずに幸せになれる続報を待ちたいところです。

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